2021 Fiscal Year Research-status Report
広範囲伝播脱分極波による胎児脳発生の制御と喫煙による脳障害発生メカニズムの解明
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19K06962
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
佐藤 容子 関東学院大学, 栄養学部, 教授 (70251501)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ニコチン / 胎生期 / 脱分極波 / 神経系 / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、令和元年-2年度に行った鶏胚での解析をさらにすすめるとともに、哺乳類における解析を行った。まず、妊娠11-14日(E11-E14)のマウス胚から摘出した中枢神経系標本を用いて、迷走神経集合活動電位に対するnicotineの作用や濃度依存性、関与するニコチン性アセチルコリン受容体サブタイプの同定を行った。自発性脱分極波に伴う迷走神経集合活動電位は、バースト(burst)と呼ばれるスパイク状を呈し、通常Ringer液中では、1つもしくは連続したバースト(burst)から成るエピソード(episode)と呼ばれる現象が、数分に1回の頻度で出現した。この活動は、E11-E13の時期にはニコチン性アセチルコリン受容体に依存しており、特にnon-α7-typeの受容体が関与していることが明らかとなった。nicotine(10μM)液を灌流すると、投与直後にバーストが連続して出現したが、その後バーストは消失した。このことから、nicotineは一過性の興奮作用(脱分極波の一過性の増大)とそれに続く抑制作用(脱分極波のブロック)の二重作用をもつこと、脱分極波に対するメインの効果は抑制であることが明らかとなった。E13のラット胚でニコチンを投与した実験でも、マウス胚と同様の結果が得られ、鶏胚で同定した脱分極波に対するニコチンの作用が、哺乳類でも見られることが明らかとなった。鶏胚と哺乳類胚とでは、外液からニコチンを除去した後の自発活動の回復(recovery)過程に差が見られ、マウス胚、ラット胚の方が、より非可逆的に抑制されることがわかった。この結果は、ニコチンに対する脱分極波の感受性が、種によって異なる可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って、哺乳類胚における解析に進むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
哺乳類in situでの解析を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)アルバイトへの人件費が、予定よりも少額であった。 (使用計画)引き続き、実験ファイルの電子化に関するアルバイト雇用を予定しており、その支出にあてる。
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Research Products
(2 results)