2021 Fiscal Year Research-status Report
有機分子触媒を用いた光学活性3,3-二置換ピペリジン骨格構築法の開発と天然物合成
Project/Area Number |
19K06969
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小暮 紀行 国際医療福祉大学, 薬学部, 講師 (80396689)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルカロイド / 有機分子触媒 / マイケル付加 / エナミン / 効率的不斉全合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は有機分子触媒を用いたエナミン(3-ethyl-2,3-dehydropiperidine)のアクロレインへの不斉マイケル反応により、4級不斉中心をもつ3,3-二置換ピぺリジン骨格を立体選択的に構築する反応を開発した。具体的には、窒素原子をトシル基で保護した3-エチル-2,3-デヒドロピペリジンを求核剤として用い、マクミラン触媒とトリクロロ酢酸存在下、-50℃にてアクロレインへ不斉マイケル付加させた後、メタノールを作用させることにより83%eeで二環性アセタールを得る反応である。 しかし反応に用いるアクロレインがその毒性のため販売中止となったため、代替品としてアクロレインのアセタール体を用いて反応条件の再検討を行った。詳細な条件検討の結果、アクロレインジメチルアセタールを用い、マクミラン触媒とトリブロモ酢酸存在下、-35℃にて反応させることで、81%eeで二環性アセタールが得られた。本結果はアクロレインを反応に用いた場合と遜色ない結果であると言える。 今後は、新たに構築した本条件を用いて、モノテルペノイドインドールアルカロイドの全合成に展開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が千葉大学から国際医療福祉大学へ異動したため、研究を行う人員が減少し、当初の研究計画よりは遅れを取っている。また研究環境を整えるためにも時間を要したため、延長申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに構築した反応条件を用いて、モノテルペノイドインドールアルカロイドの全合成に着手する。合成ターゲットとしては当初の予定通り、a) 全合成が達成されていないもの、b) 立体化学や構造が確認されていないもの、c) 全合成が達成されているが効率的と言えないもの、などを選定する。具体的には、千葉大学在籍時にコプシア属植物より単離・構造決定した新規アルカロイドKopsiyunnanine H、Kopsiyunnanine Nなどを合成する予定である。
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Causes of Carryover |
研究機関の異動により、研究環境を整えるために時間を要したため、研究が終了せず予算が余る結果となった。そのため、延長申請を行った。 今後、研究遂行のための試薬・溶媒等に使用する。
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Research Products
(1 results)