2021 Fiscal Year Research-status Report
環境応答型含窒素芳香族アミドを基盤とした新機能性分子の創製
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19K06978
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岡本 巌 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (80307074)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 芳香族アミド / 立体構造変換 / フォールディング |
Outline of Annual Research Achievements |
1.N-置換型ピリジルアミド化合物の合成:これまでに得られているGhosez試薬を用いた合成法の知見に基づき、引き続き合成方法の改善を検討した。効率的な合成を行うことが新規化合物群の立体構造特性を検討する上で重要である。 本アミド化合物群は、N-アルキル型アミンの反応性低下のみならず、含窒素複素環特有の不安定化したアミド結合が原因となって、通常のカップリング試薬や酸ハロゲン化物での強い反応条件が適さない。その為、効率的な合成方法が確立しておらず、検討を重ねている。今年度も引き続きGhosez試薬を用いた合成法を検討した。本法ではこれらの含窒素複素環型N-アルキル芳香族アミド合成に一部良い結果を示しているが、未だ最適化は達成されておらず、また再現性に欠ける点も認められることから、引き続いて効率的な合成法の検討を行う必要が有る。 2.芳香族アミドにおけるN-アリール構造部分の結晶構造特性:本研究において基本構造単位となるN-アリール構造部分の詳細な検討を行う目的で、種々の芳香族アミドのX線結晶構造解析を行い、N-アリール構造部分の比較検討を行った。中でもN-アリール構造部分を形成する芳香環の大きさと電子密度の違いによって、どのような構造特性を示すかということを検証した。それによりこの構造部分に一定の傾向が見出され、立体構造特性の指針となり得ることが判明してきている。アミド構造は小さな構造単位であるが、その構造変換によってより大きな立体構造変換を生じさせることが本研究の重要な部分である為、このような知見を積み重ねていくことが有意義な結果をもたらすことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は初頭より発生したCOVID-19によるいわゆるコロナ禍によって実験室が事実上閉鎖となり、研究の進行は困難を極めたが、2020年度の後半から2021年度は実験を再開することで徐々に元の研究体制に戻すことができ、研究の進行も元に戻りつつある。しかしながらおよそ1年間に相当する遅延が認められたことから、研究期間を延長することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もCOVID-19の感染拡大状況は予断を許さず、また本学は医療系大学としての責任を果たす上で、無理無謀な実験体制で遂行することはできないが、社会的な感染拡大防止の要請に従いつつ、研究体制を維持して遂行していく。 前述の通り、懸案となっている合成方法の検討と最適化を進めつつ、創出した新規化合物の立体構造特性を検討してゆく。また新規な機能性についても検討すべく、各種の機器分析を検討中である。
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Causes of Carryover |
2020年度に実験が滞った影響で、当該年度の予算を翌2021年度に繰り越しており、その結果合算した研究費を2021年度に使用していた。現在は実験体制が元に戻りつつある途中であり、2021年度までに進めきれなかった範囲を、研究期間延長によって得られた2022年度において研究する予定である。その為、現時点で残している経費を2022年度に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)