2019 Fiscal Year Research-status Report
マルチメタル協同型高速C-11標識法の開発とPETトレーサーの効率創出
Project/Area Number |
19K06987
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
張 周恩 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00416207)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | [11C]シアン標識法 / 芳香族スズ化合物 / Ni(0)錯体 / [cyano-11C]芳香族ニトリル / 芳香族塩化物 / マルチ金属協同作用 / 芳香族フッ化物 / PETイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
PETイメージング技術を創薬・生命科学・医学研究に広く活用するために、炭素11などの短寿命PET核種を機能分子に導入する新しい標識合成方法の開発が必要不可欠である。最近、我々はPd(II)介して芳香族ホウ素化合物を前駆体とする11C-シアノ化反応を開発し、[cyano-11C]芳香族ニトリルの標識合成の汎用性を大きく向上した。しかし、ヘテロ環を含む一部のニトリル類にはまだ適用できない。これは、2-ピリジルボロン酸など、前駆体となるヘテロアリールボロン酸誘導体の安定性が低く、その合成・精製が困難であることによる。このcyano-11C-標識法の制限を克服するために、ここでは、化学的に安定で容易に入手可能な(ヘテロ)芳香族スズ化合物を前駆体とするPd(II)/Cu(I)協同型11C-シアノ化法の開発と高度化を進めた。 本手法は様々な官能基を持つ(ヘテロ)芳香族スズ化合物に適用でき、幅広い[11C](ヘテロ)芳香族ニトリル類トレーサーの標識合成に利用できる。25種類の(ヘテロ)芳香族スズ化合物を用いて、それぞれ対応する[cyano-11C](ヘテロ)芳香族ニトリルを高いRCY(49~98%)で合成し、さらに高尿酸血症・通風の治療医薬品であるtopiroxostatの効率的なcyano-11C-標識も達成した。 さらに、Ni(0)錯体を用いる芳香族塩化物・フッ化物の高速11C-シアノ化標識法の開発も展開した。前駆体芳香族塩化物(Ar-Cl)は室温下でNi(0)錯体と作用し、中間体[Ar-Ni(II)-Cl]錯体を形成し、続き該錯体を[11C]NH4CNと5分間加熱反応させて、[cyano-11C]芳香族ニトリルに変換する方法を確立できた。今後は芳香族フッ化物の[cyano-11C]芳香族ニトリルに変換法の開発、並び機能性トレーサー合成の応用へ展開する予定です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画案が周密的設計したので、本研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は芳香族フッ化物の[cyano-11C]芳香族ニトリルに変換法の開発、並び機能性トレーサー合成の応用へ展開する予定です。
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Causes of Carryover |
研究成果の論文発表など費用は来年度に論文投稿予定するので、該当費用を次年度に使えさせます。
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Research Products
(5 results)