2021 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメタル協同型高速C-11標識法の開発とPETトレーサーの効率創出
Project/Area Number |
19K06987
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
張 周恩 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00416207)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PETトレーサー / 芳香族塩化物 / 芳香族フッ素 / 11C-シアノ化標識法 / 11C-カルボニル化標識法 / Ni錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
反応性が低い芳香族塩素(Ar-Cl)や芳香族フッ素(Ar-F)を効率よく変換する11C-標識手法の開発は極めて挑戦性が高い。多様なPETトレーサーの創出を可能にすべく、我々は芳香族塩化物(Ar-Cl)とフッ化物(Ar-F)の安定なC-Cl、C-F結合を選択的に活性化し11C-標識官能基に変換する11C-標識法の開拓を進んでいる。昨年度に、Ni(0)錯体を用いる芳香族塩素化物の高速11C-シアノ化を開発した。今年度に引き続き、Ni(0)錯体を用いる芳芳香族フッ素化物の高速11C-シアノ化を開発した。 Ni(0)錯体の作用により、アリル・フッ化物のC-F結合を効率的に切断し、アリル・ニッケル(II)錯体を形成し、続き[11C]NH4CNと反応させて、[cyano-11C]芳香族ニトリルに変換する方法を確立できた。更に、パラジュム(II)錯体の共存下で、ヘテロアリール・フッ化物の高速11C-シアノ化も展開した。様々な官能基を持つ(ヘテロ)芳香族フッ化物(20種類)を用いて、それぞれ対応する[cyano-11C](ヘテロ)芳香族ニトリルの合成を再現性よく高放射性収率で達成した。 Ni(0)錯体を用いる芳香族塩化物の高速11C-カルボニル化標識反応法も展開した。カルボニル基を持つカルボン酸、エステル、アミドなどは医薬品や機能性分子化合物中によく見られる重要な構造である。ここで、芳香族塩化物とNi(0)錯体を作用し、得られたアリル・ニッケル(II)錯体([Ar-Ni(II)-Cl])を[11C]COと反応させて、[11C]アリル・カルボン酸の標識合成法を確立した。また、アルコールもしくアミンを共存下で、上記[Ar-Ni(II)-Cl]錯体と[11C]COと反応させて、それぞれ、[11C]アリル・エステルと[11C]アリル・アミドの標識合成法も確立できた。
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Research Products
(4 results)