2020 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis and structural diversification of induced pluripotent stem molecules based on polyene macrolactam natural products
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19K06990
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
叶 直樹 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40317293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 好治 東北大学, 薬学研究科, 教授 (20211766)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポリエンマクロラクタム / 全合成 / 1,3-ジオキシン-4-オン / 多能性幹分子 / 骨格変換 / 構造簡略化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、放線菌由来ポリエンマクロラクタム天然物sceliphrolactamの合成研究を実施すると共に、外部刺激に応答して多環式構造へと変化し、その骨格変化に応じて生物活性が切り替わる「多能性幹分子」の創成を検討した。 1) Sceliphrolactamの合成研究:6位ビニル置換型 2,2-ジメチル-1,3-ジオキシン-4-オン化合物をC1-C5フラグメント中間体として、C6-C17フラグメントおよびC18-C25フラグメントとの連結を検討した。以前実施した予備検討の結果をもとに各種条件を検討した結果、全てのフラグメントの連結に成功した。一方、マクロラクタム構築のためのアジド基の還元と、続く2,2-ジメチル-1,3-ジオキシン-4-オン部分の熱分解を行なったが、所望のマクロラクタム中間体を得ることができなかった。そこで、より低温にて熱分解が行える1,3-ジオキシン-4-オン化合物を中間体として再設定し、その合成を実施した。また、C13位の水酸基の立体化学がマクロラクタムの環化反応に及ぼす影響を計算化学により見積もり、最終工程の環化反応をより有利になる前駆体のデザインを行なった。 2)多能性幹分子の創成:これまでに構築した、heronamide C型ポリエンマクロラクタムのモジュラー型・系統的合成法を応用して、C8,C9ジオール置換型、およびC19位側鎖簡略型の計4種の多能性幹分子を合成した。これらの光化学的反応や熱反応を検討した結果、熱的反応ではC8,9位ジオールの置換様式が反応性に大きく影響すること、また、光化学的反応ではC19位
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放線菌由来ポリエンマクロラクタム天然物sceliphrolactamの合成研究においては、全炭素骨格が揃った重要中間体の合成に成功したことが大きな進捗である。一方、マクロラクタム環構築には問題が生じたが、問題点が明確になり、その解決策が提示できたこと、また、計算化学を利用した中間体の設計もできたことから、このテーマに関してはおおむね順調に進行していると判断した。 多能性幹分子の創成に関しては、heronamide C型ポリエンマクロラクタムのモジュラー型系統的合成方法を確立でき、これまでに4種類の多能性幹分子が得られ骨格変換反応を検討できたことから、こちらもおおむね順調と判断した。 これらを総合して、おおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
放線菌由来ポリエンマクロラクタム天然物sceliphrolactamに関しては、これまで得られた情報を統合して全合成を進めると共に、この研究中で得られた置換1,3-ジオキシン-4-オン化合物の、他のポリエン系生物活性物質合成への応用などを検討したい。一方、多能性幹分子の創成に関しても、これまでに構築した方法論を用いて更なる分子の創生と骨格変換を実施する。 今年度が本研究課題の最終年度となるため、本課題で得られた結果を論文として公表する。
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Causes of Carryover |
718円と少額であり、次年度に使用しても問題ないと判断した。
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