2021 Fiscal Year Annual Research Report
経皮免疫治療のための高分子キャリアを用いたナノDDS製剤の開発
Project/Area Number |
19K07030
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
牧野 公子 東京理科大学, 薬学部薬学科, 教授 (40147509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 一成 東京理科大学, 薬学部薬学科, 講師 (10734931)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経皮DDS / Hen egg-white lysozyme / ナノ粒子 / アレルゲン免疫療法 / アナフィラキシーショック |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、経皮投与のためのキトサン修飾 Hen egg-white lysozyme (HEL) 含有ナノ粒子のアレルゲン免疫療法に対する有用性評価に関する研究をアレルギーモデル動物を用いて行った。平均粒子径90 nmの乳酸-グリコール酸共重合体 (PLGA) を用いたHEL含有PLGAナノ粒子を調製するとともに、蛍光標識したHELおよびPLGAナノ粒子のトレーサーを含有させた蛍光ナノ粒子の開発も行った。マウス皮膚を使用したex vivo皮膚透過試験においては、イオントフォレシス(IP)の適用が抗原の毛包への送達性向上に寄与することだけでなく、PLGAナノ粒子を薬物担体としてIPと併用することにより、抗原を毛包深部および角層へ効率的に送達可能であることが、HEL含有PLGAナノ粒子投与後の皮膚切片におけるナノ粒子の蛍光およびそれらから放出された蛍光標識化HELに関する、共焦点顕微鏡を用いた観察により示された。毛包の周囲には抗原提示細胞が豊富に存在しているため、IPを用いたナノ粒子の経皮投与により、さらにランゲルハンス細胞や樹状細胞にHELを効率よく送達できることが示唆された。また、HELに感作させたアレルギーモデルマウスを用いたin vivo経皮免疫試験を行った。血清総IgE抗体価の結果から、抗原のナノ粒子化とIPの併用により、抗体産生が抑制傾向にあることが明らかとなった。加えて、アナフィラキシーショック誘導時には、抗原のナノ粒子化とIPの併用した群において、治療効果が得られていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)