2020 Fiscal Year Research-status Report
新規抗がん剤候補化合物の標的分子同定とその作用メカニズムの解明
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19K07046
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
土屋 創健 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 講師 (80423002)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、国内においては、2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんによって亡くなっている状況であり、個人やその家族にとってはもちろん、医療財政上においても、極めて深刻な疾患である。がん治療法の一つとして、全身性作用を有する抗がん剤が、術前・術後のみならず、手術をしない(あるいは、できない)場合でも用いられている。しかしながら、食道がんなど多くの種類のがんにおいて、抗がん剤の効果が不十分だったり、耐性や重篤な副作用が生じたり、抗がん剤の価格が極めて高額であったりなどの問題があり、これらの問題を克服した新たな抗がん剤の開発が強く望まれている。そこで、本研究では、研究代表者が昨今のバイオ製剤による医療費の高騰問題も考慮して、低分子化合物ライブラリー(忌避部分構造条件や物性条件をdrug-likeに設定し、かつ、化合物ライブラリー全体の構造多様性を考慮した化合物群)のスクリーニングから見出した、正常細胞には作用せず、広範ながん腫のがん細胞特異的に増殖・生存抑制作用を発揮する候補化合物(これまで細胞の生存や増殖に関する報告は皆無)の標的分子を実験的に同定し、がん細胞特異的な阻害効果の分子メカニズムを明らかにすることで、がん病態のより深い理解と情報を得るとともに、新規抗がん剤の開発に資することを目的とする。今年度は3年計画の2年目に該当し、候補化合物の標識デザインの最適化やその後の同定手法確立を着実に進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は3年計画の2年目に該当し、候補化合物の標識デザインの最適化やその後の同定手法確立を着実に進めており、最終年度に候補化合物標的分子の同定、および、がん細胞特異的な阻害の分子メカニズム解明を行う計画であることから。
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Strategy for Future Research Activity |
候補化合物の標識デザインの最適化やその後の同定手法確立を着実に進めており、これから候補化合物標的分子の同定、および、がん細胞特異的な阻害の分子メカニズム解明を行う。
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Causes of Carryover |
じゃっかんの残額が生じたが、ほぼ予定通り使用した。
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