2021 Fiscal Year Annual Research Report
抗NLRP3インフラマソーム・抗線維化作用を併せ持つ天然物を活用した薬剤開発
Project/Area Number |
19K07076
|
Research Institution | Toyama Prefectural Institute for Pharmaceutical Research |
Principal Investigator |
本田 裕恵 富山県薬事総合研究開発センター, 副主幹研究員 (10463134)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | NLRP3インフラマソーム / カンゾウ |
Outline of Annual Research Achievements |
以前に我々は生薬甘草の成分イソリクイリチゲニン(ILG)がNLRP3 インフラマソームの活性化を阻害し、高脂肪食摂餌マウスにおいてはILG混餌により内臓脂肪組織でのIL-1βの産生を減少させ、体重増加やインスリン抵抗性を改善する作用を持つことを見出した。また、ILGは内臓脂肪組織の線維化を抑制することを見出した。 本研究ではこれらの研究を更に発展させ、1.ILGがNLRP3インフラマソーム活性化を阻害する分子機序を解明すること、2.NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)に対するILGの有用性を検証することを主目的とする。 1.に関しては、ILGの標的タンパク候補として絞り込んだ2種のタンパクを入手し、各々のタンパクのATPase活性に与えるILGの影響について検討を行ったが、再現性のある結果を得ることができなかった。また、ビーズに固定したATPを用いてこれらのタンパクとATPとの結合に与える影響を調べた。 2.に関してはCDAHFD摂餌期間を6週間としILGを混餌投与し、以下のとおり評価を行った。(1)CDAHFD摂餌により誘導される脂肪肝形成への影響を組織染色や血中ALT, ASTを測定して調べた。(2)肝臓組織の線維化に与えるILGの影響をマッソントリクローム染色にて検討した。(3)肝臓組織のTGF-β、1型コラーゲン等の発現をリアルタイムPCR法で調べ、ILG混餌の線維化に与える影響を検討した。(4)肝臓の慢性炎症状態への影響を調べるため、IL-1β, TNF-αの発現や、インフラマソーム構成タンパク(NLRP3、ASC、Caspase-1)の発現をリアルタイムPCRにて比較した。(5)CDAHFD摂餌によって肝臓に動員されるマクロファージに対するILG混餌の影響についてフローサイトメーターを用いて検討した。
|
Research Products
(6 results)