2022 Fiscal Year Research-status Report
Rad17 ATPaseの解析からDNA損傷応答を標的とするシード化合物への展開
Project/Area Number |
19K07079
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
福本 泰典 千葉大学, 大学院薬学研究院, 講師 (10447310)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 祐治 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (10280918)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | DNA損傷応答 / 細胞周期チェックポイント / タンパク質相互作用 / 核小体 / Rad17 / ATR |
Outline of Annual Research Achievements |
[紫外線照射によるRad17タンパク質の核小体移行 昨年度の解析で、Rad17の”central basic domain”に核小体移行シグナルが存在することを見出していた。本年度は、紫外線照射によってその核小体への蓄積が促進されることを見出した。この成果をFukumoto et al. Int. J. Mol. Sci. 2022として報告した。 [Rad17-iVERGEとの相互作用タンパク質の同定と解析] 以前に私達はRad17のiVERGEと命名したC末端領域がRad17の機能に必須であることを報告していた(Fukumoto et a l. BBRC 2017, BBRC 2018, RRRC 2019)。今回私達はiVERGEの相互作用タンパク質Xを同定した。flag-EGFPをCOS-1細胞に発現させ、タンパク質Xが共免疫沈降されることを見出した。相互作用はiVERGE-S667のリン酸化に依存的であった。 相互作用の分子機構を明らかにするためにIn silicoの解析を行った。iVERGEとタンパク質Xについて、ドッキングシュミレーションによって複数の相互作用モデルを作成した。相互作用エネルギーの計算とin vitroでの結果から、実験結果と一致すると期待される相互作用モデルを絞り込んだ。その構造を初期構造として、分子動力学シミュレーション(MD)の焼きなまし法(SA)によって多数の構造を取得した。取得した構造を機械学習によって分類し、大域的最適解と思われる構造を取得した。 作成した構造モデルに基づいてタンパク質Xの変異体を作成し、iVERGEとの相互作用をin vivoにおいて検討した。タンパク質Xの変異体ではiVERGEとの相互作用が減弱した。以上の解析から、iVERGEの相互作用タンパク質Xを同定し、その相互作用機構を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R3年度の成果をFukumoto et al. Int. J. Mol. Sci. 2022として学術誌に報告した。R4年度の成果は近日中に学術誌に投稿予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
R4年度の成果を学術誌に投稿し、修正実験などに対応する。 R3年度にRad17のN末に二つのD-boxを同定し論文発表した。R4年度において、その制御機構についての予備的な結果を得た。この成果をさらに発展させ、Rad17依存的DNA損傷応答機構のタンパク質分解系による制御を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
[理由] in silicoの手法などを活用し、研究のポイントを明確に絞った結果として次年度使用額が生じた。 [使用計画] またR4年度の成果をまとめた論文を近日中に学術誌に投稿予定であるため、その修正実験と掲載料に充てる。次年度の物品費に宛てる。
|