2021 Fiscal Year Annual Research Report
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19K07082
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
深見 達基 金沢大学, 薬学系, 准教授 (00532300)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 加水分解酵素 / 薬物動態 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、 AADACノックアウトマウスにおいてニトラゼパム投与によりアミノニトラゼパムのN-アセチル代謝物の血漿中濃度が有意に上昇することを明らかにした。N-アセチルアミノニトラゼパムの血漿中濃度を再度解析したところ、AADACノックアウトマウスでさえも催奇形性を示すと報告されている濃度よりも顕著に低い血漿中濃度でしか検出されなかったため、毒性実験に進むことを断念した。 前年度、AADACノックアウトマウスにおいて血中および肝臓中リン脂質量が低値を示すことを明らかにした。ホスファチジルコリンをはじめとするリン脂質は中性脂肪であるトリアシルグリセロールが加水分解されることでも生成する。AADACはホルモン感受性リパーゼと活性部位のアミノ酸配列が類似していることから、トリアシルグリセロールやコレステロールエステルを加水分解することが示唆されている。そこで、ヒト肝癌由来Huh-7細胞にヒトAADACを過剰発現させオレイン酸とパルミチン酸を1:2の割合で処置したところ、細胞内脂肪蓄積の抑制が認められた。また、脂肪蓄積を抑制する機能を有する酵素を誘導するPPARalphaのリガンド、フェノフィブラートやWY-14643をHuh-7細胞に処置したところAADACの発現誘導が認められた。以上より、AADACは生体内においてトリアシルグリセリドの分解を促進し、リン脂質生成に関与することが示唆された。AADACが直接トリアシルグリセリドの分解、すなわち加水分解反応を触媒しているのか、間接的に関与しているのか、さらなる解析が必要である。
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Research Products
(7 results)