2021 Fiscal Year Annual Research Report
Cancelation of Warburg effect and anti cancer effect of pancreatic cancer cells by intracellular phospholipase A1.
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19K07088
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山下 純 帝京大学, 薬学部, 教授 (80230415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 直樹 帝京大学, 薬学部, 助教 (40447834)
佐々木 洋子 帝京大学, 薬学部, 講師 (90324110)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DDHD1/PA-PLA1 / ホスホリパーゼA1 / LPI / ミトコンドリア / 細胞死 / ワールブルグ効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは新規カンナビノイド受容体GPR55のアゴニスト・リゾホスファチジルイノシトール(LPI)の生理機能や産生機序を解析している。LPI産生の鍵酵素のひとつとして細胞内ホスホリパーゼA1 DDHD1を同定した。 DDHD1の活性調節機構を探索する過程で、Phos-tag SDS-PAGEを用いて、DDHD1がリン酸化されることを見出した。MALDI-MS/MSにより、ホスホプロテオミクス解析を行うと、ホスホリパーゼA1(PLA1)DDHD1のリン酸化修飾を解析した。FLAG-DDHD1を発現したHEK293細胞から得た抽出物をPhos-tag SDS-PAGEで解析すると、DDHD1は複数のバンドとして観察され、リン酸化されていることが示された。DDHD1由来のリン酸化ペプチドをMALDI-TOF MS/MSに供したところ、10以上のリン酸化アミノ酸残基の同定に成功した。増殖培地での培養で、4つのセリン残基(S8、S11、S723、S727)が強くリン酸化されることを確認した。そのうち2つのセリン残基をグルタミン酸残基に置換(リン酸化の模倣、S11/727E)すると、PLA1活性が低下したが、その程度は大きなものではなかった。種々のプロテインキナーゼとDDHD1をATPとともにインキュベートすると、CDK1、CDK5、CK2α1の3種類のキナーゼでDDHD1のリン酸化が起こることが分かった。そのうち細胞周期に関与するCDK1/ cyclin A2がDDHD1のS8、S11、S727残基をリン酸化すること、細胞周期や神経変性疾患と関わりが深いCDK5/p35がDDHD1のS11、S727残基をリン酸化することが示された。リン酸化模倣変異体のS11/727Eは細胞内局在が変化し、細胞質から接着点(Focal adhesion)への局在が促進されることが示された。
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