2020 Fiscal Year Research-status Report
マイトファジーを標的とした筋ジストロフィ-の新規治療法開発
Project/Area Number |
19K07102
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
細田 隆介 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20749428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530) [Withdrawn]
久野 篤史 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30468079)
岩原 直敏 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00613085)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋ジストロフィー / マイトファジー / オートファジー / SIRT1 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
Duchenne型筋ジストロフィーモデル動物であるmdxマウスの四頭筋と心筋のミトコンドリアDNAを次世代シーケンサーで解析した。 ミトコンドリアDNAの欠失部位を同定するためにデータの解析をおこなったが、mdxマウスの四頭筋と心筋においてミトコンドリアDNAの欠失部位を同定することはできなかった。一方で、マイトファジーの活性化はin vitroレベルで筋保護作用を示すことが明らかとなっている。また、臨床研究でSIRT1活性化薬であるレスベラトロールが筋ジストフィーに治療効果を示すことが報告されており、SIRT1とマイトファジーの活性化が筋ジストロフィーの治療ターゲットとして有用である可能性は非常に高い。 そこでSIRT1によるマイトファジーの促進メカニズムを解明して、筋ジストロフィー治療に応用するために、骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスを用いてSIRT1によるマイトファジーの活性化メカニズムを解析した。 オートファジー経路においてオートファゴソーム形成後のフラックスを阻害する薬剤であるコルヒチンを処置した骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスの前脛骨筋では、オートファゴソームの蓄積がコントロールと比べて有意に減少していた。この結果からSIRT1はオートファゴソーム形成後の段階を制御している可能性が示された。現在、骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスの骨格筋において、SIRT1によって制御を受けるオートファジー/マイトファジー関連因子を同定するために、分子生物学的な手技を用いてさらなる検討をおこなっている。また、C2C12マウス筋芽細胞を用いてSIRT1活性化とSIRT1ノックダウンによって影響をうけるオートファジー/マイトファジー関連因子を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想に反してmdxマウスの骨格筋で見られたミトコンドリアDNA欠失の部位を特定することはできなかった。今後はSIRT1によるマイトファジーの促進メカニズムの解明に焦点をあてて研究を進行する。
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Strategy for Future Research Activity |
骨格筋特異的SIRT1ノックアウトマウスを用いてSIRT1によるオートファジー/マイトファジー活性化メカニズムの詳細を分子生物学的な手法で明らかにする。さらに、SIRT1活性化薬の処置をマウスにおこないSIRT1の活性化がマイトファジーを促進し、骨格筋保護作用を示すメカニズムを解明して、筋ジストロフィー治療におけるマイトファジー活性化の有用性を明らかとする。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックにより出張が無くなったため。また割引キャンペーンを利用して物品等を購入したため。 翌年度は主に消耗品と実験動物の購入に使用する予定である。
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