2020 Fiscal Year Research-status Report
チオプリン製剤服用妊婦より産まれた児の副作用とNUDT15遺伝子多型の影響の調査
Project/Area Number |
19K07113
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中村 志郎 大阪医科大学, 医学部, 教授 (50271185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 寿行 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20836225)
渡辺 憲治 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70382041)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | NUDT15 / チオプリン / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 炎症性腸疾患 / 遺伝薬理学 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「チオプリン製剤服用妊婦より産まれた児の副作用とNUDT15遺伝子多型の影響の調査」では、炎症性腸疾患をはじめとし、チオプリン製剤を使う全ての疾患を対象とし、妊娠中にチオプリンを服用した妊婦より生まれた児における副作用を調査している。2020年度は、前向き研究4組と後ろ向き研究2組の計6組の症例が参加した。前向き研究の4組のうち3組では出産され、1組はまだ出産に至っていない。出産の3組ではいずれも妊娠期間中チオプリンを服用継続し出産に至り、現時点では母C/C、新生児C/Cで母子ともに大きな副作用を認めていない。昨年度参加され今年度NUDT15遺伝子多型検査の結果が判明した1組においては母C/Cであったが、新生児2名はともにC/T(ヘテロ)であった。児がC/Tであった際に副作用がC/Cより増える可能性はあるが、この2名のC/Tの児では白血球減少症など副作用は確認されておらず、現時点では大きな副作用を認めていない。後ろ向き研究2組においてはいずれも母C/C、新生児C/Cで後ろ向き研究にて臍帯血での白血球数や6-TGN値は検査不可能であるが、これまで母子ともに大きな副作用は確認されていない。2020年度に本研究に参加した6組のうち、母親の疾患は潰瘍性大腸炎5名、腸管ベーチェット病1名であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、自施設だけでは症例数に限界があり、他施設にも協力をお願いする必要がある。しかしコロナ禍となり、研究会や学会を通じての参加呼びかけができなかったり、感染防止の観点から症例を多く持つ施設への立ち入りも困難な状況であり、他施設での症例集めに苦労している。この研究の意義に理解を示してくださる先生もおられ、今後も症例を集めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年に、チオプリン製剤が妊婦での禁忌から外れたことにより、妊活中および妊娠中の患者でもチオプリンを継続している症例は増加傾向にある。本研究に参加する対象となる症例を自施設内で引き続き探していく。他施設の症例に対しては、主治医の先生方とはweb会議などの方法も活用し、社会状況を見ながら対象症例の組み入れを進めていく。
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Causes of Carryover |
学会出張を想定していた旅費においては、COVID-19の影響でWeb形式での主催となり使用しなかった。症例の組み入れが遅れておりその影響で検査代等の費用も想定を下回った。施設内外を含め、研究開始時より研究の認知度はあがっており、今後症例が増えてくる可能性があり、その際に検査代等に活用する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] 妊娠中チオプリン服用を継続した炎症性腸疾患患者より生まれた児における副作用の検討2020
Author(s)
高川 哲也, 角田 洋一, 小島 健太郎, 小柴 良司, 藤本 晃士, 佐藤 寿行, 河合 幹夫, 上小鶴 孝二, 横山 陽子, 宮嵜 孝子, 樋田 信幸, 渡辺 憲治, 中村 志郎
Organizer
第28回日本消化器関連学会週間