2023 Fiscal Year Annual Research Report
チオプリン製剤服用妊婦より産まれた児の副作用とNUDT15遺伝子多型の影響の調査
Project/Area Number |
19K07113
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中村 志郎 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (50271185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 寿行 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20836225)
渡辺 憲治 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70382041)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NUDT15 / 遺伝子多型検査 / 遺伝薬理学 / ファーマコゲノミクス / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 炎症性腸疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、新たに本研究に参加していただいた患者は0例であった。本研究に参加していただく患者側のメリットとしては、保険適用となっていないパートナー男性のNUDT15 遺伝子多型検査を行える点がある。チオプリン服用妊婦は患者にてNUDT15 遺伝子多型検査が保険適用となるが、パートナー男性はチオプリン服用予定もない健常人であることが多く、この研究でNUDT15 遺伝子多型検査を行えるようにしていた。実臨床では、パートナー男性において保険適用となる見込みはなく、母親だけのgenotypeをもとに胎児でのリスクを考え患者と相談しながら妊娠中のチオプリン継続を行うか検討することが一般化してきたと思われる。例数は限られるが当院の症例では、児がArg/Cysであっても副作用なく経過している例があり、必ずしも危険な状況になるわけではないと担当医の中でも認識されてきた可能性が考えられる。しかしながら妊婦がArg/Cysであった際は、児がCys/Cysとなる可能性はあり、妊娠してからではなく、妊娠前に妊娠中のチオプリン服用を望むかあるいは他の治療法について共同意思決定を行い決定しておくことが望ましい。また胎児がArg/Cysであった際は、児に副作用が生じるかは母親の服用量にもよる可能性があり、母親がArg/Cysであった際は、元より服用量は多くないため高リスクとはなりにくいが、Arg/Argであった際は、高用量を使うことがあり、その場合は児にリスクがある点は考慮する必要がある。
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