2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the regulation mechanism of cystic fibrosis-specific splice variant expression and development of novel therapeutic strategies
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19K07114
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
首藤 恵子 崇城大学, 薬学部, 講師 (70510692)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SIGIRR / スプライスバリアント / 嚢胞性線維症(CF) / HDAC3 |
Outline of Annual Research Achievements |
SIGIRRは細胞外に一つのimmunoglobulinドメインを有するI型膜貫通タンパク質であり、抗炎症性サイトカインであるIL-37がリガンドとして作用することで、炎症応答に関与するToll様受容体やIL-1受容体の細胞内シグナル伝達を抑制する。 昨年度までに得られた結果から、慢性炎症を主病変とする嚢胞性線維症(CF)の気道上皮細胞では、SIGIRRのスプライスバリアントであるΔ8-SIGIRRの発現量増加により正常型SIGIRRの膜上発現量が減少し、IL-37による抗炎症作用が消失していること、また汎HDAC阻害薬のパノビノスタットが正常型およびΔ8-SIGIRRの発現バランスの異常を是正し、IL-37による抗炎症作用を回復させることが明らかとなった。その一方、パノビノスタットは広範なHDACアイソフォームを阻害する為、細胞毒性や炎症性サイトカインIL-8のベースラインの上昇が認められた。 従って当該年度は、そのような副作用を軽減し、正常型SIGIRRとΔ8-SIGIRRの発現バランスの異常を是正するHDACを同定する為、各アイソフォーム特異的な阻害剤を用いて検討を行った。 その結果、CF気道上皮細胞株であるIB3-1およびCFBEにおいて、HDAC3の特異的阻害剤であるRGFP966処理のみが正常型SIGIRRの発現量を増加させた一方、Δ8-SIGIRRの発現量には影響を与えなかった。この正常型SIGIRRのみの発現誘導は、siRNAによりHDAC3をノックダウンした細胞においても同様に観察され、HDAC3阻害またはノックダウンによる細胞毒性やIL-8上昇などの副作用は認められなかった。 以上の結果から、HDAC3阻害により正常型SIGIRRを特異的に誘導する事は、副作用を軽減しながらIL-37による抗炎症作用を増強する為に有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)