2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞を用いた超高感度タンパク質プロファイリングに基いた薬効予測系の創成
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19K07119
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
久米 利明 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (10303843)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | タンパク質プロファイリング / iPS細胞 / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高感度タンパク質プロファイリングに基いた薬効予測系の創成を目指し、本年度は以下の研究を遂行した。 ①アミロイドβタンパク質(Aβ)の立体構造に着目した新規アルツハイマー病モデルマウスAPPNL-P-Fを用いた、in vivoにおける疾患モデルを用いたタンパク質の変動パターンの検出を目指し、発症前(3ヶ月齢)、認知機能障害が検出された後(6ヶ月齢)、より病態の進行した(12ヶ月齢)のタンパク質の抽出を進めた。現在、各タイムポイントでの組織採取を終了し、順次タンパク質プロファイリングを進めているところである。 ②ヒトiPS細胞を用いたin vitroにおけるタンパク質の変動パターンを検出する実験系を確立する目的で、以下の検討を行った。多くの疾患でその病因の一つとして考えられている危険因子に酸化ストレスがある。そこでまず最初に酸化ストレス負荷時のタンパク質の変化について検討を行った。ヒトiPS細胞由来神経幹細胞への神経毒の一つである過酸化水素を顕著な細胞死が観察されない、100μMの濃度で24時間処置した。その後、細胞内のタンパク質を抽出し、2次元電気泳動に供した。その泳動パターンから、この細胞で得られたスポットを解析したところ、891個のスポットが確認された。これらのうちコントロールと比較して過酸化水素処置により、そのシグナルが増減するものが複数観察された。以上の結果より、ヒトiPS細胞由来ニューロンにおいて、タンパク質プロファイリングを行う系のプロトタイプとして有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染者数の増加の影響で、大学への入構の規制がされており、十分に研究が遂行できないため。
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Strategy for Future Research Activity |
ようやくモデル動物の組織採取が終了したため、タンパク質の変動パターンの解析を進めている。しかし、新型コロナウイルスの患者数の増加の影響で、予定通りに研究が遂行できるかが課題である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の感染者数の拡大により、大学での研究活動に影響が出たため、予定した実験が行うことができなかったため。
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