2021 Fiscal Year Annual Research Report
心肥大の退縮を担う分子の探索とその分子メカニズムの解明
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19K07122
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長坂 明臣 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (10723877)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Gαタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、Gαタンパク質のシグナル活性を操作できるデザイナー受容体 (DREADD) が開発された。また近年、様々な疾患においてGα13の関与が示唆される一方で、その詳細なメカニズムは明らかになっていない。そこで、私はGα13のDREADDを作製することで、Gα13が関与する病態における、Gα13が担う生理的機能の解析が可能になると考え、本研究を開始した。 本年度はGα13の選択性を正確に評価するため、キメラ受容体のGα13選択性を評価する実験系を構築した。Gα13は、Rhoの活性化を誘導することが知られていることから、Gα13欠損細胞株とルシフェラーゼレポーターアッセイを組み合わせれば、Gα13に対する選択性のみならず、Gα13を介した下流のシグナルの誘導も同時に評価が行えると考えた。そこで、CRISPR-Cas9システムによりGα13を欠損させたHEK293A細胞株を複数樹立した。その後、昨年度に引き続きGαqのDREADDを基に、Gαタンパク質との共役性に重要な細胞内第3ループとC末端領域を他のGPCRと組み換えたキメラ受容体をいくつか作製した。検証の結果、DREADDのリガンドであるCNO刺激により誘導されたRhoシグナルの活性化は、Gα13欠損細胞株においてシグナルを有意に減弱させることができたものの、依然シグナルは残存する結果となった。従って、これらキメラ受容体は、Gα13のみに対する選択性があるとは言えないことから、完全なGα13のDREADDとするには今後も更なる改良が必要である。
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