2019 Fiscal Year Research-status Report
Research of polycyclic alkaloids from plants towards new biologically active substances
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19K07152
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
森田 博史 星薬科大学, 薬学部, 教授 (70220069)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 植物由来多環状含窒素化合物 / 二量体アルカロイド / 抗マラリア活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
メガダイバーシティセンターと呼ばれる生物資源の豊富な熱帯資源国の多様な植物資源を利用することで、特異な環骨格を有する多環状含窒素骨格を有する機能性分子を探索した。初年度はマレーシア産 Leuconotis eugenifoliusに主成分として含有される成分に注目した抗マラリア活性アルカロイドの探索研究を中心に検討した。L. eugenifolius 樹皮を抽出、精製し、アルカロイド画分をLH-20、アミノシリカゲルおよびシリカゲルカラムを用いた分離を行い、2種の新規二量体モノテルペンインドールアルカロイド(Leucophyllinines A and B)及び既知二量体アルカロイドmelaxillarinine、bisleuconothine Aを単離した。新規アルカロイドの構造は各種二次元 NMRの解析により推定した。絶対立体配置の不明なmelaxillarinineの配置はTD-DFTによるCD計算で決定した。Leucophyllinines A and Bの立体配置は、スペクトル解析とTD-DFT計算を行い、理論計算値と実測値を比較することにより明らかにした。抗マラリア活性の詳細を検討するとともに、他の熱帯植物資源を用いた新たな創薬素材分子を探索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に熱帯植物資源を用いた新たな多環状含窒素化合物を、マラリアをターゲットとした創薬素材分子として見出している。それらの絶対立体配置を含めた詳細な構造をスペクトル分析とCD計算により明らかにした。様々な熱帯植物ソースより各種の活性試験により興味深い抽出エキスを見出しており、同様な検討を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
多様な植物資源からの植物抽出ライブラリーを用いて、新しい創薬シードの創製を目指す。抗原虫活性(抗マラリア)のスクリーニングにより、有望な熱帯植物を数種類見出しており、活性成分の探索を進める。さらに、既に候補化合物として見出している多環性アルカロイドは、作用機序の解析を行う。(1)保有する植物抽出エキスライブラリーのスクリーニングを行い活性分画の検討を行うとともに、継続してインドネシアの研究者より入手したエキスに対して、スクリーニングを行う。(2)抗マラリア活性を示す多量体アルカロイドの立体構造解析と作用機序を解析する。(3)新たな作用機序(DNA複製後に増殖抑制)の抗マラリア活性分子(シゾント期においてマラリア原虫の増殖を阻害)の単離を目指す。新たな活性天然物の探索スクリーニングと既に活性候補化合物として上がってきた多量体アルカロイドの構造解析、作用機序の解析を同時に検討する。
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