2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K07153
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Research Institution | Yokohama College of Pharmacy |
Principal Investigator |
高橋 哲史 横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (40449004)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵臓がん / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、ヒト膵臓がん細胞株を用いて、エクソソーム関連因子の3’末端への発光タンパク質部分配列HiBiTのノックイン細胞の作製について進めた。ヒト膵臓がん細胞株KMP2およびPANC1に対し、ゲノム編集を利用した改編PITCh法およびLoADシステムを組み合わせ、エクソソームマーカー遺伝子CD63の3’末端にHiBiTおよびピューロマイシン耐性遺伝子puroRを2A配列により連結したHiBiT-2A-puroR配列のノックインを試みた。その結果、KMP2およびPANC1の両細胞からピューロマイシン耐性細胞が得られ、樹立した細胞のDNA配列をシーケンス解析し、目的遺伝子部位へのノックインが確認された。また、両細胞の培養上清およびエクソソーム様画分からHiBiT由来の発光が検出された。さらに、これら細胞をエクソソームの生成阻害物質であるGW4869により処理することにより、GW4869の濃度依存的に発光値の低下が認められた。そのため、構築した2つの細胞を用いることにより、CD63を指標としたエクソソームの定量的な検出が行えるものと考えられる。また、CD63の他に、エクソソーム表面マーカーCD9、および膵臓がん患者由来のエクソソーム小胞内での存在が報告されているEPS8の両遺伝子の3’末端へのHiBiT-2A-puroRノックインベクターシステムの構築も行なった。両遺伝子へのノックイン細胞について、ピューロマイシン耐性細胞が樹立できており、遺伝子解析を行い、発光を確認し次第、エクソソーム中のこれら因子の定量的な評価解析に利用する。現在、樹立細胞を行なってエクソソームの分泌に影響を及ぼす漢方薬の評価を行なっており、解析結果によって新たな膵臓がん治療の開発の可能性が期待できる。
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Research Products
(4 results)