2021 Fiscal Year Annual Research Report
生物時計システムの制御を基盤とする新規天然薬物の開発
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19K07154
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
平居 貴生 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (80389072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 健一 愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (70635135) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は時計遺伝子の転写調節ネットワークに作用することが明らかとなった生薬エキスについて、褐色脂肪細胞における標的分子制御機構に関する解析を行った。時計遺伝子の発現調節には、核内受容体であるRev-erbが中心的な役割を果たすことがよく知られている。また、代謝制御ホルモンFGF21(線維芽細胞増殖因子21)の遺伝子発現はRev-erbによって制御される。事実、siRNA法を用いてRev-erb-αをノックダウンしたC3H10T1/2細胞からtotal RNAを回収し、定量的リアルタイムPCR法を用いて遺伝子発現へ影響について検討した結果、Rev-erb-αをノックダウンしたC3H10T1/2細胞では転写因子Nfil3/E4BP4 mRNAとFgf21 mRNAの有意な増加が観察された。また、漢方方剤繁用生薬抽出エキスとELISA法を用いた多検体スクリーニングによって、FGF21産生能に影響を及ぼす生薬エキスの探索を行なった。FGF21産生能について高い活性を示したオウレン、オウバク、レンギョウとその主要成分について解析した結果、FGF21発現調節には時計遺伝子Rev-erb、retinoic acid-related orphan receptor、brain and muscle Arnt-like protein-1 (BMAL1)だけでなく複数の細胞内シグナル伝達システムが関与する可能性が示唆された。一方、細胞分化制御に時計遺伝子の転写調節ネットワークが関与する可能性について検討するために、Bmal1プロモーター活性を指標にした解析によって見出されたicaritinの細胞分化能への影響について解析した。その結果、icaritinによる褐色脂肪細胞の分化マーカーUCP1の発現変動が観察された。
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Research Products
(2 results)