2020 Fiscal Year Research-status Report
生体リズムを考慮した抗リウマチ薬ヤヌスキナーゼ阻害剤の至適投与設計の構築
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19K07161
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤 秀人 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (90346809)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生体リズム / 関節リウマチ / JAK阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
JAK阻害剤トファシチニブを用いて、関節炎自然発症マウスSKGマウスを対象に、投薬時刻(5:00または17:00)の違いによる関節炎抑制効果を評価した。1日1回30mg/kgを5:00または17:00に連日投薬した結果、17:00投薬群と比較し、5:00投薬群で有意に関節炎を抑制することが明らかとなった。トファシチニブは、実臨床では、1日2回服用する。そこで、実臨床にあわせて、5:00と17:00の1日2回、1回投薬量を15mg/kgとして連日投薬(1日2回投薬群)した。対照として、1日1回15mg/kgを5:00(5:00投薬群)または17:00(17:00投薬群)に連日投薬した。その結果、1日2回投薬群と17:00投薬は、5:00投薬群と比較し、顕著に関節炎の抑制した。また、1日2回投薬群と17:00投薬の関節炎抑制効果は、ほぼ同等であった。以上のことから、トファシチニブは、投薬タイミングを考慮することでより高い関節炎抑制効果を示すことが明らかとなった。また、実臨床では、1日2回投薬されているが、1回投薬量を同量として、1日1回最適なタイミングに投薬することで、治療効果は十分であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
JAK阻害剤トファシチニブの時間薬理学的有用性を明らかにできた。今後、この投薬タイミングを規定する生体内因子の探索に着手することとした。また、peficitinibというJAK阻害剤についても、同様の検証を実施し、JAK阻害剤の時間治療が、有用であるのかを研究することが、今年度の実験成果より決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
トファシチニブと同様にJAK阻害剤として関節リウマチ治療に用いられているpeficitinibについても、実験動物を対象に、時間薬理学的評価を実施する。また、有効性が高まる時間帯とJAK阻害剤の効果との関連性を明らかにするために、JAKタンパク質やその関連因子の日内変動変化を評価する。
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