2020 Fiscal Year Research-status Report
New strategy for oral care by means of micelles containing ionic liquid and antimicrobial agent
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19K07169
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岩尾 康範 静岡県立大学, 薬学部, 客員准教授 (30433022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 啓 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10825110) [Withdrawn]
木村 晋一郎 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (20791338) [Withdrawn]
稲井 誠 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (20621626)
菅 敏幸 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10221904)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バイオフィルム / イオン液体 / ミセル |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】本研究は、口腔内細菌が形成するバイオフィルムを破壊し、歯周病及び種々の全身性関連疾患への罹患を予防するため、バイオフィルム破壊能を有するイオン液体と抗菌薬を、バイオフィルム近傍に特異的に送達できる浸透性・付着性に優れたミセルに内封させた製剤を開発し、新規洗口液としての可能性を追求するものである。本年度は、イオン液体CAGE/抗菌剤ミセルの処方最適化と、新規イオン液体の創出と製剤化検討を検討した。
【実験方法】ミセル調製は転相乳化法により行った。基本処方として、非イオン性界面活性剤Tween 80/Tween 20/ethanol/陽イオン界面活性剤 塩化ベンザルコニウムを任意の割合で混合し、ミセルを作製した。調製したミセルの粒子径、粒度分布、ゼータ電位、粒子画像を取得した。またゲラン酸をanionic分子の基本構造体として、種々のcationic分子 (イミダゾリウム系、ピリジニウム系、ピロリジニウム系、アンモニウム系、ホスホニウム系) をその候補として、新規イオン液体の創生とバイオフィルム除去効果を検討した。
【結果】水75wt%、Tween 80 5 wt%、Tween 20 4 wt%、ethanol 3 wt%、塩化ベンザルコニウム 5 wt%, CAGE/クラリスロマイシン 5 wt%の処方は、平均粒子径10.5 nm、PDI 0.25で、冷所で6か月それらに変化がなく、種々の処方の中で最も安定で、微小なナノミセルとなることが明らかとなった。また、CAGEに代わるイオン液体として調製した1-ethyl-3-methylimidazolium geranic acidがS. Mutansバイオフィルムに対して高い破壊効果を有し、加えて、同様の処方でミセルを作成することでさらに高い抗菌効果・殺菌効果を有することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定した実験はトラブルなく、滞りなく遂行することができた
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はこれまで調製してきたCAGEミセル及びイミダゾールゲラン酸ミセルをin vivoで評価する予定であり、従来の治療方法にない、安全で有効な新規口腔内ケア製剤の開発に繋げることができると考えている。
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