2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K07185
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅原 満 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (60332467)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エンテロイド / 画像解析 / 蛍光観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの検討で2D(エンテロイド水平断面)蛍光分布パターンを撮像することができたことから、本研究では、まずエンテロイド内腔と細胞層とを区別する境界線の決定方法を検討した。市販の生細胞染色試薬を用いて境界線を明確にしようと試みたが、良好な結果が得られなかった。そこで、蛍光物質をエンテロイド内腔に取り込ませた後、画像解析ツールを用いて自動輪郭決定する方法の改良を検討した。自動輪郭決定の方法として、フォーカスを絞った明視野画像を用いるものとフルフォーカス画像を用いるものを比較した。その結果、フルフォーカス画像を使用した場合のほうが、輪郭全体を捉えやすいことが明らかになった。ただし、エンテロイドの形状によっては輪郭全体を捉えることが難しいサンプルも存在した。また、自動化された機能であるため、複数のエンテロイドが近接している場合にはそれらを区別することが困難なため、サンプル調製時あるいは視野選択時に注意が必要である。 次に、後に検討するトランスポーターの輸送活性に影響を与えない色素の使用を想定し、観察用の蛍光色素をエンテロイド内腔に注入する方法を検討した。本実験では、エンテロイド内腔に薬液が注入されたことを確認するために実体顕微鏡観察下、明視野での観察が可能な色素と、内腔の蛍光を比較的長時間観察するための膜不透過性の蛍光色素を混合して用いた。その結果、薬液が内腔に注入するされる様子を観察することが可能となり、蛍光色素の漏出も少なく、輪郭決定に有用な手法と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は3D解析の前段階として、2D解析による定量化を行う予定であったが、2D解析を行うための輪郭決定の手法に多くの時間を費やしたため、定量化までは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度確立した2D解析の手法を用いて、定量化を実現する。同時に3D解析に向けて、撮像方法を検討する。 排出トランスポーターの基質や阻害剤の候補化合物の抽出は、当研究室ですでに確立した細胞を用いる手法により進めており、今後、エンテロイドへ適用する。
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