2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K07185
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅原 満 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (60332467)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エンテロイド / 画像解析 / 蛍光観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度確立した2D解析に続き、3D解析への展開を試みた。3D解析のために深度を変えながら蛍光画像を取得して重ね合わせる手法を検討したが、光源から遠い位置では光が分散してしてしまい、全体像を捉えることができなかった。そこで、断面の重ね合わせではなく全体像から得られる蛍光強度を測定することとした。その結果、蛍光の変動は見られるものの定性的であり、内腔を正確に区別することが難しいため定量的な評価のためには励起光に依存しないイメージング手法を取り入れる必要があるものと考えられた。 一方、エンテロイドは蛍光基質の輸送(蛍光分布)に対する試験薬物の影響(蛍光分布の変化)を観察することによって、トランスポーター基質となる可能性のある薬物のスクリーニング系として応用できる。基質候補の薬物については、腸管管腔内への排出による蓄積を見る場合は内部への蓄積量を測定できるが、吸収方向に輸送される薬物では、多くの場合、エンテロイド実験系での定量は困難である。そこで、エンテロイドを構成する細胞から再構成した平面培養系の利用を検討した。エンテロイドの形状を一旦破壊して、構成する細胞塊を調製し、その後、再度培養用プレートあるいは多孔性フィルター上に播種して平面培養した。現在、再構成した平面培養細胞の薬物輸送や代謝に関わる遺伝子や蛋白質等の発現を組織やエンテロイドと比較しているところである。これらの実験手法を組み合わせてスクリーニングと基質となるか否かの検証が可能となるものと期待される。
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