2021 Fiscal Year Annual Research Report
小児用製剤への応用を目指した、調剤機器を用いた顆粒剤調製法の構築
Project/Area Number |
19K07196
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
宮嵜 靖則 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (40551742)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 湿式造粒法 / 自転公転式調剤ミキサー / プレゲル顆粒 / 小児用製剤 / 顆粒強度 / ゲル強度 / 付着力 / 導水剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、小児のアドヒアランス改善を目的とした新規な小児用剤形として、“プレゲル顆粒”を発案し、本自転公転式造粒法を用いて調製が可能か検討した。プレゲル顆粒とは、服用時に水を添加することにより急速にゲル化する易嚥下性の顆粒である。顆粒剤のマトリックス実質にゲル形成性の水溶性高分子であるカラギーナン、ペクチンあるいはアルギン酸ナトリウムを、水和を促進するための導水剤として糖類あるいはポリエチレングリコール4000を用いて顆粒剤を調製し、粒度分布、球形度、顆粒強度を評価するとともに、吸水試験、ゲル化後にゲル強度試験および付着力試験を行い、機能性を評価した。さらに製剤試験として含量均一性試験および溶出試験を行った。 調製したプレゲル顆粒は、メジアン径855~1406 µm、球形度0.61~0.84、顆粒強度2.0~3.1 N/mm2を示し、調剤に支障がないことが示された。吸水試験の結果、カラギーナンを用いた顆粒の吸水量は5分間で14 mL/gであり、ペクチンあるいはアルギン酸ナトリウムを用いた顆粒に比べ5倍の吸収量を示した。また、荷重変位曲線より、カラギーナンを用いた顆粒のゲル強度は0.056 N、付着力は0.025 N・mmであり、膨潤時に柔軟で付着性の小さいゲルを形成することが示された。導水剤の影響を比較すると、ポリエチレングリコール4000添加処方では糖類より導水効果が大きく、300秒後の吸水の改善がみられた。少量の水で、短時間でゲル化するプレゲル顆粒を開発できた。
|