2021 Fiscal Year Research-status Report
血管・リンパ管網内蔵3Dヒト組織の生体移植における微小循環系形成機構の解明
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19K07240
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
下田 浩 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20274748)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 立体組織 / 微小循環系 / 血管網 / リンパ管網 / 生体移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヌードマウス皮下に移植された血管、リンパ管網内蔵ヒト立体組織における微小循環系の形成メカニズムについて分子形態学的解析を進めている。 血管網を内蔵した立体組織は生体移植後数日の短期間で生体から移植組織に連続する基底膜の形成・延長と生体および移植組織由来の間質細胞と内皮細胞間のPDGFbb-PDGFRbetaを軸とした複数種の分子シグナルの誘導により血流を伴う壁細胞などを装備した新たな微小循環路が形成されるが、リンパ管網内蔵立体組織を移植材料に用いた場合は、生体移植によるリンパ路の新生・再生は困難であった。 そこで、独自に作製したリンパ管成長因子の徐放性投与を行うドラッグデリバリーシステムと組織再生を促す足場の構築を行い、生体から移植組織へのリンパ管新生と移植組織内リンパ管網の成熟化を可能とする生体移植モデルの改良を行った。これにより、生体と移植組織の双方のリンパ管内皮細胞が移動と接触を繰り返すことで互いの内皮細胞がモザイク状に混合・融合した新たなリンパ微小循環網を形成させることができた。 これらの微小循環形成メカニズムの解析を進める計画であったが、当該動物実験施設の改築工事の遅延による施設の使用制限、ならびに立体組織作製と移植モデル作製に必須となる培養器具と試薬が昨年度からのコロナ禍のために調達困難な状況が続いているために研究の進行が計画より遅れており、令和4年3月15日(学振助―第1134号)に補助事業延長が承認されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該動物実験施設の改築工事の遅延による施設の使用制限、ならびに立体組織作製と移植モデル作製に必須となる培養器具と試薬が今年度よりコロナ禍のために調達できなくなっているために研究の進行が計画より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究進行遅延の原因の一つであった動物実験施設の改築工事が2021年度に終了し、動物実験は今後推進してくことが可能である。 また、コロナ禍による物品の調達については、未だ小規模で不定期であるが、新たな製造工場の準備などにより少し回復の傾向が見られている。今後これが徐々に拡大し、従来の立体組織および移植モデルの作製が可能となってくると予測されることから、今後の研究推進は可能と考える。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により培養器具、試薬などの物品の調達が困難となり、研究計画に遅れが生じたことにより今年度内での研究遂行が困難となっために、次年度使用額が生じた。本事業については令和4年3月15日(学振助―第1134号)に補助事業延長が承認されている。未だ充分ではないが、徐々に培養器具等の供給が再開されてきていることから、これらを確保を行うことで研究計画をさらに進める予定である。
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