2019 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of bone regeneration by exosomes and sugar chains derived from mechanical stress highly reactive mesenchymal stem cells
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19K07269
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
池亀 美華 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70282986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 裕彦 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20380024)
内部 健太 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (20584618) [Withdrawn]
宝田 剛志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 研究教授 (30377428)
江尻 貞一 朝日大学, 歯学部, 教授 (40160361)
河邊 憲司 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60803856) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 / エクソソーム / メカニカルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、メカニカルストレスに反応して骨芽細胞分化に寄与する組織内間葉系細胞の同定、それらの細胞から分泌されるエクソソームやその糖鎖の、メカニカルストレスによる変化、ならびに骨修復過程への関与を明らかにすることである。 本年度は、頭蓋冠器官培養系で縫合部に24時間伸展刺激を加え、その培養上清から得られたエクソソームを回収し、その微細構造を観察し、典型的エクソソームのサイズの粒子を確認した。さらにそれらを、MC3T3-E1の培養上清に加えて、RNAを回収し、骨芽細胞分化の指標となる遺伝子発現をリアルタイムPCRによって調べ、骨芽細胞分化への影響を検討した。その結果、メカニカルストレスを加えない群、加えた群、いずれの培養上清からも、典型的サイズのエクソソームを得ることができた。また、リアルタイムPCRの結果、早期の骨芽細胞分化指標の一つであるRunx2の遺伝子発現に対して、メカニカルストレスを与えないエクソソームは影響しなかったが、メカニカルストレスを加えたエクソソームは抑制的な効果を示した。しかし、他の骨芽細胞分化指標となるOsterix遺伝子発現については変化はなかった。 また、骨縫合部から間葉系幹細胞の各系譜の細胞を採取することについて、共同研究者の宝田と検討をしているところであるが、解析に十分な量の細胞を採取することはかなり困難であり、まだ解析に至っていない。組織由来の幹細胞が利用できない場合に備えて、間葉系幹細胞株、C3H10T1/2や、前骨芽細胞系細胞株、MC3T3-E1の骨芽細胞分化に対し促進的な効果を示す伸展刺激条件を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り、骨器官培養系のエクソソームについては回収を行い、骨芽細胞分化への影響について解析を始めることができた。また、細胞伸展装置も購入し、未分化間葉系細胞を骨芽細胞へと分化促進するメカニカルストレスの条件検討も開始できた。 しかし、骨縫合部由来の間葉系幹細胞の系譜を採取して、メカニカルストレスをかけてエクソソームの性質を解析するところまで進める予定であったが、細胞採取が予想以上に困難で、まだ十分な数の細胞を得るには至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
間葉系幹細胞採取の試みを続けるとともに、それが困難な場合に備えて、細胞株で未分化なものを何種類か試し、どのような性質の細胞から得られるエクソソームが骨芽細胞分化に影響するのか、その中の重要な成分や糖鎖の解析を先にすすめることを考えている。 また、器官培養系の上清に含まれるエクソソームについても、メカニカルストレスでの変化について確実なデータを得るべく、培養時間を変えて検討を重ねる。
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Causes of Carryover |
骨縫合部組織由来の間葉系幹細胞の採取が進まなかったために、エクソソームの内容物の解析を進めることができなかったため。次年度に、解析費用として使用予定である。
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