2021 Fiscal Year Annual Research Report
Gastric carcinogenesis caused by Helicoobacter pylori-induced inflammation
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19K07270
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
濱田 文彦 大分大学, 医学部, 教授 (70252707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 和成 大分大学, 医学部, 教授 (00239485)
二宮 遼 大分大学, 医学部, 助教 (00794041)
赤嶺 孝祐 大分大学, 医学部, 助教 (60799435)
久保 修一 大分大学, 医学部, 助教 (60898097)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ピロリ菌 / 炎症性脂質メディエーター / CagA |
Outline of Annual Research Achievements |
CagA はピロリ菌から胃粘膜上皮細胞に直接注入される毒素である。CagA を持つピロリ菌は、これを持たないピロリ菌と比較し、胃粘膜に激しい炎症を引き起こし、強い発癌活性を示すことが知られている。 レンチウイルス感染系によって、CagA 遺伝子を発現させた COS-7 細胞株、AGS および MKN74 胃細胞株において、細胞内における炎症性脂質メディエーター量の増加が認められた。定量は昨年度と同様に液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて行った。 続いて、CagA 陽性ピロリ菌株の遺伝子を改変し、CagA 遺伝子を欠失する変異型株を樹立した。最終的には抗 CagA 抗体を用いた Western blotting 法によって CagA 遺伝子の欠失を確認した。CagA 陽性ピロリ菌の野生型株, この株において CagA を欠失させた変異型株を それぞれ AGS 胃細胞株に感染させたところ、野生型株感染細胞内においてのみ、炎症性脂質メディエーター量の顕著な増加が認められた。 CagA 発現細胞株および CagA 陽性ピロリ菌感染細胞株では、培養上清中に含まれる炎症性脂質メディエーター量が顕著に増加することを発見した。この結果は、細胞内で増加した炎症性脂質メディエーターが細胞外へ放出されることを強く示唆するものと考えられた。 これらの増加した炎症性脂質メディエーターが、ピロリ菌感染によって引き起こされる胃粘膜の炎症においてどのような役割を担っているか、現在、多方面から解析を進めている。特に、細胞外へ放出された炎症性脂質メディエーターが示す免疫系細胞への影響(サイトカイン分泌や遊走など)に着目している。また、スナネズミへのピロリ菌感染実験を並行して進めている。
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