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2022 Fiscal Year Annual Research Report

幹細胞制御におけるニッチ細胞の糖鎖多様性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K07275
Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

菅原 大介  杏林大学, 医学部, 助教 (00390766)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords大腸 / 腸管上皮 / ニッチ細胞 / ムチン / 糖鎖 / レクチン / フコシル化糖鎖
Outline of Annual Research Achievements

活動的な日常生活の維持には、腸管を健康に保つ機構の理解が不可欠である。その機構において幹細胞の増殖・分化の制御は重要であり、その中心的な役割をニッチ細胞が担う。大腸陰窩底部に観察されるcKit陽性上皮細胞(cKit+細胞)はニッチ細胞であると報告されたが、その性質・役割には不明な点が多い。
最終年度、腸管の健康を維持する機構へのcKit+細胞の関与について検討を進めた。マウス大腸のcKit+細胞は発現する糖鎖の違いにより2種類に分けられることを報告者は先に報告した。cKit+細胞における種々の分子発現を免疫組織化学的に解析した結果、上記の糖鎖発現の違いは、前駆細胞からニッチ細胞への分化成熟に関連することを見出した。また、cKit+細胞は、陰窩上部の杯細胞とは別の性質・特徴をもつムチン産生細胞であることを明らかにした。大腸近位側における主要なムチン産生細胞であること、分泌するムチンタンパク質の種類が異なること、主要なムチンタンパク質であるMuc2へ付加される糖鎖が異なることを新たに示した。
本研究では助成期間を通じ、cKit+細胞はニッチ細胞としてだけでなく、ムチン産生細胞としても腸管の健康維持に深く関与することを明らかにした。ムチン産生細胞(杯細胞)における多様性が見出されることは想定外だったが、組織解剖学としても新たな知見を得た。また、生理状態におけるcKit+細胞の特徴の1つは特定の糖鎖が付加されたムチンの分泌であった。このムチンの分泌は傷害上皮の再生過程において著しく増加した。このような結果から、腸管の健康を維持する上で重要な分子を特定したと考えられる。ムチンの異常は炎症性腸疾患と関連が深い。cKit+細胞の不具合は、産生するムチンと、ムチン産生細胞への分化制御、両方の異常となることが予想される。cKit+細胞に関する本成果は疾病の新たな理解へも繋がると期待される。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022 Other

All Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 大腸cKit陽性上皮細胞のムチン産生細胞としての特徴2023

    • Author(s)
      菅原大介、秋元義弘、川上速人
    • Organizer
      第128回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [Presentation] マウス大腸におけるムチン産生細胞はすべて同じ“杯細胞”か?2022

    • Author(s)
      菅原大介、秋元義弘、川上速人
    • Organizer
      第41回日本糖質学会年会
  • [Presentation] マウス大腸近位-遠位軸に沿ったムチン糖鎖の多様性と、その形成機構の検討2022

    • Author(s)
      菅原大介、秋元義弘、川上速人
    • Organizer
      第95回日本生化学会大会
  • [Remarks] 杏林大学 医学部 教員紹介

    • URL

      http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/medicine/education/staff/detail/?id=med46005

URL: 

Published: 2023-12-25  

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