2022 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子 Dach1 による組織特異的な血管内皮細胞分化調節メカニズム
Project/Area Number |
19K07278
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
早坂 晴子 近畿大学, 理工学部, 准教授 (70379246)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫組織 / 転写因子 / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管系から二次リンパ組織へのリンパ球移行は、高内皮細静脈 (high endothelial venules:HEV) という二次リンパ組織にのみ形成される特殊血管で媒介される。HEV は背の高い内皮細胞や厚い基底膜という形態的特徴をもち、特定のケモカイン分子群やL-selectin結合性の接着分子 PNAd およびインテグリンリガンドのMAdCAM-1を発現する。しかし リンパ節形成期におけるHEV形成メカニズムについては明らかになっていない。私達は、胎生後期から新生仔期の未熟 HEV を含む血管に限定的に発現する転写因子として、Dach1を同定した。研究期間の最終年度では、全身で恒常的に Dach1 を発現する遺伝子改変マウス Dach1-Tgを用いて、リンパ節 HEV 形成における Dach1 遺伝子の機能を解析した。Dach1を全身で恒常的に発現するDach1-Tg のリンパ節ストローマ細胞をフローサイトメトリーにより解析したところ、MAdCAM-1および PNAd 陽性血管内皮細胞割合の増加がみられた。一方、 汎血管内皮細胞マーカー CD34 陽性血管内皮細胞の割合に変化は見られなかった。さらに、次世代シーケンスにより、HEV 内皮細胞の遺伝子発現をDach1-Tg と野生型で比較したところ、PNAd 分子の形成に必要な糖鎖修飾酵素群やコアタンパク質の発現に違いが見られた。以上の結果から、Dach1 は リンパ節血管内皮細胞において接着分子発現を調節し、HEV内皮細胞の成熟分化に関与する遺伝子である可能性が示唆された。
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[Journal Article] CXCL12 promotes CCR7 ligand mediated breast cancer cell invasion and migration toward lymphatic vessels2022
Author(s)
Haruko Hayasaka, Junichi Yoshida, Yasutaka Kuroda, Akihiro Nishiguchi, Michiya Matsusaki, Kei Kishimoto, Hitoshi Nishimura, Mari Okada, Yuki Shimomura, Daichi Kobayashi, Yoshihito Shimazu, Yuji Taya, Mitsuru Akashi, Masayuki Miyasaka
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Journal Title
Cancer Science
Volume: 113
Pages: 1338-1351
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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