2020 Fiscal Year Research-status Report
Plastic alteration of the vestibular system-induced autonomic deconditioning
Project/Area Number |
19K07283
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
安部 力 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10585235)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前庭系 / 可塑性 / 交感神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者や帰還後の宇宙飛行士では前庭器(耳石器・三半規管)の機能低下による平衡機能障害や起立性低血圧が問題となっており,これには前庭系可塑の関与が示唆されている。しかし,可塑のメカニズムやそれが引き起こす生理機能調節力低下(デコンディショニング)の全容が不明であるため,障害や症状に対する効果的な予防法やリハビリテーション法が確立されていない。 本研究では,前庭系可塑のメカニズムを解明し,生理機能調節力低下への対策を確立するために,1) 可塑に関わる前庭神経核神経細胞の生理機能,2) 可塑防止に必要な前庭電気刺激パラメーター,3) ヒトを対象に生理機能調節力低下の予防・治療に対する前庭電気刺激の有用性,の3点を明らかにする。 今年度は,可塑防止に必要な前庭電気刺激パラメーターの模索を行った。意識下の自由行動下で電気刺激を行うために,近赤外光を用いたワイヤレス刺激装置を作製した。近赤外光の受光により10 μAの出力を出せるような微小電気刺激装置を改造し,そこからのワイヤー電極をマウスの両側前庭窓に留置した。意識下でマウスに近赤外光を照射すると,低周波刺激では身体の傾斜がみられるのに対し,高周波刺激では傾斜がみられなかった。このことから,前庭-筋連関のリハビリテーションには低周波刺激が有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究成果の論文が出版された。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症などの影響もあり,可塑防止に必要な前庭電気刺激パラメーターの解明が一部遅れている。今年度は,残りの未解明問題を早急に解決し,最終目的である「ヒトを対象に生理機能調節力低下の予防・治療に対する前庭電気刺激の有用性」を明らかにしたいと考えている。
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