2019 Fiscal Year Research-status Report
超解像イメージングと電気生理で解明する、神経でのCa依存性Kチャネル新規調節機構
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19K07295
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
入江 智彦 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 主任研究官 (20546551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 哲史 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90334812)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SKチャネル / CICR / P/QタイプCav / Ca2+ドメイン |
Outline of Annual Research Achievements |
小コンダクタンスCa2+活性化型K+(SK)チャネルと大コンダクタンス電位/Ca2+活性化型K+(BK)チャネルは、中枢神経系の様々な神経細胞において存在し、活動電位の調節に役立っている。ほ乳類蝸牛神経核の神経細胞においては、SKチャネルとBKチャネルの両方が存在してバースト発火調節に役立っている。この細胞においてBKチャネルはリアノジン受容体を介したCICRにより活性化されるが、申請者のこれまでの研究により、CICRはSKチャネルを活性化しないという予想外の結果を得ていた。そこで、SKチャネルに対するCa2+のソースを同定する為に、マウス脳幹スライス標本にin vitroパッチクランプ法を適応し、電位依存性Ca2+(Cav)チャネル阻害剤を用いて薬理実験を行った。その結果、Cavチャネルのうち、P/QタイプCavの活性化がSKチャネルの開口に必須という事がわかると同時に、P/QタイプCavとSKチャネルの距離は100ナノメートル以上と比較的離れている事、すなわちCa2+マイクロドメインを形成している事も判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほ乳類蝸牛神経核の神経細胞におけるSKチャネルの活性化には、P/QタイプCavの活性化が重要である事、そしてP/QタイプCavとSKチャネルの距離は100ナノメートル以上と比較的離れている事、すなわちCa2+マイクロドメインを形成しているという結果を纏めて英文科学雑誌Journal of Neurophysiologyに投稿した所、2019年8月に受理された事から、おおむね順調に進展している、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
ほ乳類蝸牛神経核の神経細胞において、SKチャネルが存在するという事は、SKチャネルの生物物理学的特性と特異的阻害剤による薬理学的検討により明らかにされてきた。しかしながら、SKチャネルには分子的実態として、SK1~SK3の3つのサブタイプが存在する事が知られており、これらのうち、どのサブタイプが蝸牛神経核の神経細胞に発現しているかは全く不明のままである。そこで、本研究をより深める為に、今後はSKチャネルのサブタイプを特異的抗体を用いて決定すると共に、STORM超解像度顕微鏡による、神経細胞内におけるSKチャネルの分布の解析まで進めたい。
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Causes of Carryover |
年度途中の論文執筆で実験を中断した期間があり、購入予定であった機器類や消耗品の購入を進める事が出来なかった。次年度使用額の使用計画としては、SKチャネルのサブタイプ毎に対する特異的1次抗体や2次抗体の購入や、蛍光観察時のフィルターなどの購入に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)