2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of transient neonatal hyperparathyroidism caused by TRPV6 variants
Project/Area Number |
19K07296
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 喜郎 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (40348503)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | TRPチャネル / 母子間カルシウム輸送 / 新生児期副甲状腺機能亢進症 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は新規TRPチャネル病である新生児期副甲状腺機能亢進症の発症メカニズムの解明を目的としている。本研究の研究機関全体を通じて実施した研究の成果として、疾患発症の遺伝的因子として新規TRPV6遺伝子変異を同定し、その機能を解析することによって一部の変異における発症メカニズムを推定することができた。また環境因子の1つである母体ビタミンD3欠乏が本疾患発症の危険因子の1つであるという状況証拠を得ることができた。さらに発症メカニズムが不明である変異について、当該変異に相当する変異をゲノム編集を用いてマウスに導入したノックインマウスを作成した。その後、凍結受精卵を作成し、岩手医科大学動物研究センターに輸送後、個体化を行い系統維持することに成功した。
今年度は発症メカニズムが不明であった変異についての解析を、免疫細胞化学法、細胞分画法および糖鎖切断酵素を用いた解析によってHEK293細胞を用いて細胞レベルで行った。その結果、膜貫通領域の変異を持つトラフィッキング変異体がゴルジ体へ進めず小胞体に留まっていることを明らかにした。このことからTRPV6遺伝子変異によって小胞体ストレスが生じ、その結果、新生児期副甲状腺機能亢進症を発症することが示唆された。今後、このことをノックインマウスにおいて組織・個体レベルで証明し、疾患の発症メカニズムの全貌を解明したい。さらに遺伝因子だけでなく環境因子も同疾患の発症に重要であるということの直接証拠を得たい。
|
Research Products
(3 results)