2019 Fiscal Year Research-status Report
Identification of novel senolytic drugs to treat age-related diseases
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19K07316
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
勝海 悟郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (60815356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 逸平 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (60444056)
南野 徹 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90328063)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞老化 / senolysis |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らが発見した新規老化細胞除去薬Seno-7284(特許の都合により便宜名とする)は肥満糖尿病モデルマウスにおいて0.03%w/wの濃度で混餌投与すると1週間の投与で内臓脂肪に蓄積する老化細胞の減少効果を認め、4週間持続投与すると耐糖能異常と共に脂肪炎症が劇的に改善することが分かった。しかしながら体重は変わらず内臓脂肪の重量はむしろ増加傾向にあったことから個体の代謝向上による耐糖能改善効果ではないと考えられた。 また、動脈硬化モデルマウスにおいても2週間のSeno-7284投与により大動脈への老化細胞蓄積を抑制するとともに動脈硬化巣の範囲減少を認めた。Zmste24KOマウスの個体寿命も雄雌ともに延長することを確認したほか、加齢マウスにおける身体機能の改善も握力測定、rotarod試験にて確認した。 メタボローム解析やRNA-seq解析を通して研究代表者らはSeno-7284の投与によりケモカインの一種でCxcl9の発現が特定の細胞種で増加することが分かった。 Cxcl9はリンパ球を標的組織に誘導する作用を持つことより脂肪組織中のリンパ球数を計測するとSeno-7284を投与した群でT細胞、NK細胞数の有意な増加を認めた。この受容体であるCxcr3を阻害する中和抗体をマウスに投与すると高脂肪食負荷マウスの内臓脂肪における老化細胞の蓄積がSeno-7284で除去されなくなった。以上からSeno-7824はCxck9-Cxcr3シグナルの賦活化を通して、内因性の免疫機能が老化細胞除去に携わることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Seno-7284の老化細胞除去効果を複数のマウスモデルで確認でき、その機序を制御する鍵分子の候補を同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
Cxcl9-Cxcr3シグナルが老化細胞に対する免疫機能を制御してSeno7284の効果を持たらすことを高脂肪食負荷マウス以外のモデルでも検証する。また、同シグナルがどのように活性化されるか、in vitro実験を計画し、ここで同定したシグナルをin vivo実験においても検証する。
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Causes of Carryover |
物品費が想定より下回り、残余が生じた。次年度の物品費として利用予定である。
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