2020 Fiscal Year Research-status Report
Identification of novel senolytic drugs to treat age-related diseases
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19K07316
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
勝海 悟郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (60815356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 逸平 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (60444056)
南野 徹 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90328063)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞老化 / 老化細胞 / Cxcl9 / AICAR |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らが発見した新規老化細胞除去薬Seno-7284(特許の都合により便宜名とする)は肥満糖尿病モデルマウスや動脈硬化モデルマウスなどにおいて体内から老化細胞を除去し、病態を改善させることがこれまでの検討で明らかになっている。また、メタボローム解析やRNA-seq解析を通して研究代表者らはSeno-7284の投与によりケモカインの一種でCxcl9の発現が血管内皮細胞で増加することが分かった。Cxcl9はリンパ球を標的組織に誘導する作用を持つことより脂肪組織中のリンパ球数を計測するとSeno-7284を投与した群でT細胞、NK細胞数の有意な増加を認めた。この受容体であるCxcr3を阻害する中和抗体をマウスに投与すると高脂肪食負荷マウスの内臓脂肪における老化細胞の蓄積がSeno-7284で除去されなくなった。さらにCxcl9に対する中和抗体を用いた場合もCxcr3抗体を用いた場合と同様の結果を得ることができ、以上からSeno-7824はCxck9-Cxcr3シグナルの賦活化を通して、内因性の免疫機能が老化細胞除去に携わることが考えられた。 血管内皮細胞でCXCL9発現が増加する機序を検討したところ、Seno-7284投与群で血中AICAR濃度が有意に増加することに着目し、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞にAICARを添加したところ、CXCL9の発現が増加し、培養液中への分泌の増加することを確認した。AICAR増加の意義を検証するため、高脂肪食負荷マウスにAICARを投与するとSeno-7284と同様に老化細胞除去効果を認めた。 以上からSeno-7284はAICARの産生増加を通して血管内皮細胞でのCXCL9産生を促進し、Cxcr3を発現するリンパ球の動員を経て老化細胞除去をもたらすことが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Seno-7284の老化細胞除去効果の機序の詳細が概ね判明してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
AICARの産生機序や他のモデルにおけるCxcl9-Cxcr3 axisの意義、Seno-7284に直接的な老化細胞除去伺ないことなどを確認し論文執筆を予定する。
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Research Products
(4 results)