2021 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマの浸潤性を標的とし、受容体を中心に据えた分子治療戦略の基礎構築
Project/Area Number |
19K07323
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
飯島 幹雄 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (00305111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸田 昭世 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50274064)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グリオーマ / 浸潤能 / Wnt / RYK / MMP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、悪性グリオーマの浸潤性を標的とし、受容体を中心に据えた分子治療戦略の基礎を構築することである。グリオーマの予後不良の主要因となる高い浸潤能を抑えることができれば予後が改善し余命を伸ばすことが期待できる。高い浸潤能に大きく寄与する細胞外マトリクスの分解酵素(MMP)阻害薬の開発は、関節痛や筋肉痛などの重篤な副作用等のため頓挫し、現在までに医薬品としての承認を受けたものはない。そこで、新たな浸潤能抑制の標的を探索するため、我々が見いだしたWnt-5a/RYKシグナルメカニズムによるMMP-2発現増大に注目した。創薬ターゲットしてのRYK受容体以降のシグナル伝達を明らかにするため、RYK結合タンパク質の探索を行った。網羅的かつ効果的なスクリーニングのために、検出力の高い酵母two-hybridシステムと機能性ドメインを含む断片化cDNAライブラリーを組み合わせた方法を開発し、特許を取得した(特許6998056)。新たに開発した方法でRYK受容体を標的として、マウス脳ならびにヒト培養細胞株由来断片化cDNAライブラリーをスクリーニングした結果、RYK結合タンパク質候補を15種類得た。この15種類の中には、RYKとの結合が報告されているDvl3が含まれていた。Dvl3は異なる2種類のクローンが得られ、共にPDZドメインが含まれていた。15種類のうちの候補Aでは、異なる5クローンが得られ、すべてにPDZドメインが含まれていた。また候補Bでは、PDZドメインを含むクローンが得られた。これら15種類の遺伝子を哺乳類細胞発現ベクターに組み込み、RYK発現ベクターと共にヒト細胞に導入発現させた。細胞内でのRYKタンパク質と候補タンパク質の結合を検討したが、細胞レベルでの結合を確認することができなかった。
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