2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of pathogenic mechanism of frontotemporal lobe degeneration based on novel hypothesis
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19K07329
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
草苅 伸也 東京医科大学, 医学部, 講師 (10510901)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経細胞死 / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋委縮性側索硬化症(ALS)や前頭側頭型認知症(FTD)などの神経変性疾患において、神経変性を受ける脳領域は異なる。興味深いことに、ALSとFTDでは原因因子の多くが共通しているにもかかわらず、両疾患においてその変性領域は大きく異なる。したがって、疾患の変性領域を制御するメカニズムの存在が示唆されている。 申請者独自に樹立した神経変性疾患モデル動物を用いて、神経変性を受けやすい細胞種の探索を行った。その結果、加齢に伴って細胞数が減少するいくつかの神経細胞種が見つかった。一方、細胞数に変化の認められない種類も存在していた。これらの結果から、このモデル動物においても、ヒトの疾患と同様に神経変性領域を制御するメカニズムが備わっている可能性が考えられる。 この神経細胞死が認められた細胞種と認められなかった細胞種間において、加齢に伴った遺伝子発現の変化を検討することで、神経変性領域を制御する分子メカニズムの同定と、また、同定したメカニズムから、治療薬として有効な関連分子に作用する薬剤の探索が可能になるものと考えている。 今後は、この分子メカニズムの同定を目指すとともに、治療法および治療薬の確立へ向けた解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者独自に樹立した神経変性疾患モデル動物を用いて、このモデル動物においても、ヒトの疾患と同様に神経変性領域を制御するメカニズムが備わっている可能性を見出した。この結果は、今後の分子メカニズムの同定や治療法および治療薬の確立へ向けた解析において、非常に有意義なものであると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者独自に樹立した神経変性疾患モデル動物を用いて、神経変性領域の制御にかかわる分子メカニズムの同定を目指すとともに、治療法および治療薬の確立へ向けた解析を行う。特に、神経細胞死が認められた細胞種と認められなかった細胞種間において、加齢に伴った遺伝子発現の変化を検討することで、制御メカニズムの同定を目指す。そして、同定したメカニズムをもとに、その関連分子に作用する薬剤から治療に有効な物質の探索を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス検査の影響で、必要としていたPCRチューブなどの需要が世界的に高まってしまったため、生産が追い付かず、必要としていた分の購入が滞ってしまった。このため、次年度への繰越金が生じてしまった。現在、必要な消耗品等の確保は済んでいるので、今後の研究計画に対する購入が遅れた影響はほとんどないものと考えている。
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Research Products
(2 results)