2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of pathogenic mechanism of frontotemporal lobe degeneration based on novel hypothesis
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19K07329
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
草苅 伸也 東京医科大学, 医学部, 講師 (10510901)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経細胞死 / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が独自に樹立した前頭側頭型認知症(FTD)モデルマウスを用いた個体レベルでの解析を行い、前年度までに神経細胞種によって変性度合に差異が生じることを明らかにしていた。本年度は、これらの細胞種について、加齢に伴う変化を観察したところ、少なくとも離乳時期では神経変性様の所見は認められなかったことから、神経細胞への分化異常ではないことが明らかとなった。さらに、少なくとも8カ月齢ごろから神経機能障害やグリオーシス等がみられることから、加齢にしたがって神経毒性などの蓄積が生じ、神経機能障害を引き起こしている可能性が考えられた。 一方、神経毒性の原因のひとつとも考えられている、グリア細胞の増殖および異常活性について検討したところ、脳全体においてグリア細胞の増殖などがみられ、神経傷害領域では他の領域と比べ顕著な違いは認められなかった。したがって、少なくともこのモデルマウスでは、グリア細胞の増殖および異常活性は神経変性に伴った二次的な現象である可能性が考えられた。 以上の結果から、神経変性発症に関わるメカニズムとして、一部の神経細胞種に備わる、もしくは欠失した機能が考えられる。今後の課題として、これら神経細胞種ごとの遺伝子発現解析により、発症に関わるメカニズムの同定を目指す。
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Research Products
(4 results)