2020 Fiscal Year Research-status Report
リンパ管構成細胞の炎症応答能の獲得:炎症時のフェノタイプ変化
Project/Area Number |
19K07336
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
尾崎 博 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (30134505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 理介 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (30273080)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リンパ管 / 平滑筋細胞 / 内皮細胞 / 炎症応答 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、リンパ管を構築する細胞(内皮細胞、平滑筋細胞)が、炎症時にどの様に変化するかを明らかにすることを目的としている。申請者は、これまで間葉系細胞(線維芽細胞、平滑筋細胞など)の炎症応答に関する研究に従事してきたが、これまで得られた知見を基に、間質構成要素としてリンパ系に着目し研究を進めている。研究は以下の4項目:(1)リンパ管平滑筋/内皮細胞の生理機能変化、(2)病態モデルを用いたリンパ管構成細胞の炎症時における形態・機能変化、(3)リンパ管構成細胞の炎症性サイトカインに対する応答、(4)リンパ管構成細胞が炎症性物質の産生能を有する可能性、で構成されるが、本年度は(1)と(2)の項目について研究がまとまり、論文報告を行うことが出来た。掲載誌はHypertension(2020 Aug;76(2):598-606)であり、インパクトファクター7.713のAmerican Heart Associationが発行する著明誌である。研究内容は以下の通りである。 自然発症高血圧モデルラットSHRの集合リンパ管において、アセチルコリンによる内皮依存性の弛緩反応は、正常ラットに比べて抑制されていた。一酸化窒素合成阻害薬L-NAMEによりアセチルコリンの弛緩反応は有意に抑制され、抗酸化薬tempol、NADPHオキシダーゼ阻害薬VAS-2870の処置によりその抑制は改善された。さらに、p38の発現がSHRで上昇し、p38阻害薬SB203580によりアセチルコリンの弛緩反応の抑制も改善した。これらのことから、SHRにおける集合リンパ管の内皮依存性弛緩反応の障害は、p38/p47phox /NADPHオキシダーゼ2経路による活性酸素種の蓄積が原因であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4つの研究項目の中で、基盤となる平滑筋ならびに内皮細胞の高血圧病態時の変化を検討している。本年度は、論文報告という形で研究の進捗をみた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、腸内細菌異常と高血圧との関連が注目されている。自然発症高血圧モデルラット(SHR)においては腸管透過性の亢進と腸内Streptococcus属細菌の増加が報告されていることから、平滑筋ならびに内皮細胞に対するStreptococcus属の細菌毒素の作用について注目し、検討を始めたところである。
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Causes of Carryover |
次年度以降に、各種タンパク質の酵素活性測定ならびに新規分子の免疫組織化学をする計画であり、相当分の経費を以降に、次年度に使用したい。
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Research Products
(3 results)