2019 Fiscal Year Research-status Report
ストレスセンサーKeap1による活性酸素種感知機構の解明
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19K07340
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 隆史 東北大学, 医学系研究科, 講師 (70508308)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Keap1 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレスセンサーKeap1は転写因子Nrf2のユビキチン化反応を制御し、酸化ストレス防御機構の中心的役割を担う鍵因子である。これまでに、Keap1-Nrf2制御系による親電子性物質の感知に重要なセンサーシステイン残基の同定に成功した。しかし、同制御系の活性酸素種に対する感知機構は未だ不明であった。そこで、Keap1の酸化ストレス感知機構解明を目指し、Keap1の高反応性のシステイン残基に複数の組み合わせで変異を導入し検討した。その結果、Keap1の酸化ストレスセンサー部位を同定し、酸化ストレス応答不全変異体Keap1を創出することに成功した。ゲノム編集技術を用いて酸化ストレス応答不全変異体Keap1ノックインマウスを作製し、活性酸素種センサー機能の生理的重要性を検証した。その結果、酸化ストレス応答に必要なKeap1センサーを明らかにすることに成功した。Keap1は、仮に不具合が発生した場合においても酸化ストレスを感知して生体を守ることができる巧妙な仕組み(フェイルセーフ機構)を備えていることを明らかにしました。本研究成果をCell Reports誌に発表した。 また、Keap1-Cul3複合体がどのようにNrf2タンパク質をユビキチン化するのか構造生物学的に明らかにするために、結晶構造解析およびクライオ電子顕微鏡法のための各種精製タンパク質の調製を行った。結晶構造解析では既にいくつかの結晶を得ることに成功しており、現在より良い結晶化条件の検討を行っている。また、クライオ電子顕微鏡解析では、Keap1-Cul3複合体の像を得ることができており、現在より純度の高い複合体を得るため条件検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに、Keap1センサー機能の検証および構造解析を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
酸化ストレス応答不全変異体Keap1ノックインマウスを作製することに成功したので、この酸化ストレスセンサーの恒常性維持における重要性を明らかにするために、抗酸化酵素合成破綻モデルを用いて検証を行う。また、Keap1-Cul3複合体の結晶構造解析およびクライオ電子顕微鏡解析を進め、Keap1-Cul3複合体がどのようにNrf2タンパク質をユビキチン化するのか明らかにする。
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Causes of Carryover |
2019年度は、組換えタンパク質の発現用に複数種類の発現ベクターを導入する予定であったが、現行の発現ベクターで十分に発現可能であることがわかったため、未使用額が生じた。
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Research Products
(8 results)