2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K07362
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 茜 (井上茜) 東京大学, 医科学研究所, 助教 (90541970)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨の構造と機能は骨破壊と骨形成のバランスにより厳密に制御されており、その破綻は骨粗鬆症や骨大理石症等の疾患を惹起する。骨破壊を担う破骨細胞はマクロファージ系の前駆細胞に由来し、融合による多核化を経て成熟破骨細胞へと分化する。破骨細胞の融合はその機能に重要であり、したがって骨代謝疾患治療の標的になると考えられる。しかしながらその分子機構は不明のままである。代表者の所属する研究室では最近、細胞内シグナル分子Dok-3が破骨細胞融合の抑制因子であることを個体レベルで明らかにした。そこで本研究では、Dok-3の結合分子の探索や、その機能欠損により変動する遺伝子発現やタンパク質修飾の網羅的解析を実施すると共に、単離した候補分子の破骨細胞融合における機能の解析をおこない、破骨細胞融合の分子機構の解明を目指す。 本年度は、破骨細胞融合に対するDok-3の作用機序の手掛かりを得て上記の網羅的解析へ向けた準備を整えるために、破骨細胞融合の抑制効果に必要なDok-3タンパク質領域の同定解析を昨年度に引き続き推進した。具体的には、Dok-3の各機能ドメインの変異体を作製し、それらの破骨細胞融合に対する影響の検討をすすめ、破骨細胞融合の抑制効果に必要なDok-3タンパク質領域を絞り込んだ。また、既知の破骨細胞融合因子や当該細胞融合に重要であると考えられているシグナル分子群の制御におけるDok-3の機能解析を推進し、破骨細胞融合の抑制におけるDok-3の作用標的を絞り込んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
破骨細胞の融合に必要なDok-3タンパク質領域を絞り込んだものの、破骨細胞融合の制御に関わる遺伝子やタンパク質の網羅的解析を実施できなかったため、上記区分を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
Dok-3による破骨細胞融合抑制の分子機構の解明へ向け、融合制御に関わる遺伝子発現やシグナル伝達の網羅的な解析を着実に進めて行く。また、その他の課題については、当初の計画に沿った研究を速やかに実施していく。
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