2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K07374
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
北川 元生 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (40262026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 渉 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (00623464) [Withdrawn]
湯澤 聡 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (40515029)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Notchシグナル / TM2D3 / TM2D1 / TM2D2 |
Outline of Annual Research Achievements |
TM2D3のN側の細胞外ドメイン全長(102残基)を6 × His融合タンパク質(組換え型TM2D3タンパク質)として大腸菌を用いて発現した。このタンパク質のrefoldingを試みたところ、非還元状態で二量体および三量体を形成することを見いだした。これらの複合体は還元状態にしても部分的にしか崩壊しないことから、安定なものであることが示唆された。 この組換え型TM2D3タンパク質を抗原としてウサギポリクローナル抗体を作製した。この抗体を用いてWestern blottingをおこなったところ、組換え型TM2D3タンパク質二量体および三量体は1 ngのオーダーに至るまで良好に検出されたが、単量体の検出には10倍量のタンパク質を必要とした。野生型マウス由来の初代培養線維芽細胞の溶解液を、Tm2d3ノックアウトマウス由来細胞の溶解液をコントロールとして同様の解析を行ったところ、両者のバンドのパターンに変化が見られなかったことから、この抗体では内因性Tm2d3タンパク質の検出は難しいと考えられた。 NOTCH1とTM2D3の物理的会合を検討するため、NOTCH1を過剰発現させた293T細胞の溶解液と組換え型TM2D3タンパク質をincubateし、上記抗体とprotein G sepharoseを用いてTM2D3を回収したが、NOTCH1のpull downは検出されなかった。 TM2D3と類似した構造を持つタンパク質であるTM2D1とTM2D2について、N側の細胞外ドメイン全長の大腸菌を用いた発現を試み、81残基からなるTM2D1、N端が異なる2つのalternative splicing variantが知られているTM2D2については112残基からなるTM2D2v1と86残基からなるTM2D2v2それぞれを6 × His融合タンパク質として発現することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Tm2d3ノックアウトマウスの表現型の解析については終了しており、今後論文としてまとめる。 TM2D1とTM2D2の機能解析については順調に進展していると考えられる。 Tm2d1とTm2d2のKOマウス系統は、すでにMutant Mouse Resource & Research Centers (MMRRC) に参加している米国大学の共同研究者によって作製されており、表現型の解析はわれわれが行うことになっている。新型コロナウイルス感染症流行の影響によって米国で飼育マウス数および飼育担当者が削減されたため、現在に至るまでこれらのノックアウトマウス系統(凍結精子)の輸送が実現していない。
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Strategy for Future Research Activity |
ショウジョウバエの遺伝学的研究によって、当該生物のNotchシグナルにおいてTM2D1、TM2D2、TM2D3各ホモログの3つの遺伝子が共同してひとつの機能を担うことが示唆されている(Salazar et al. TM2D genes regulate Notch signaling and neuronal function in Drosophila. PLOS Genetics 2021;17:e1009962.)。組換え型TM2D1およびTM2D2タンパク質についてはTM2D3タンパク質と同様多量体形成等のそれぞれの性状を検討するとともに、TM2D3を含めたこれらの物理的相互作用を検討する。またpull down assayに組換え型TM2D1、TM2D2タンパク質を添加して再検討する。さらにTM2D1およびTM2D2の哺乳類細胞用の発現ベクターを構築し、これらの293T細胞における過剰発現がTM2D3のそれと同様にNotch1を活性化するか、また組み合わせて発現した際の相乗効果等を検討する。 作製した抗TM2D3抗体がWestern blottingにおいて細胞溶解液中の変性したTM2D3を検出できない理由として、抗原としてTM2D3多量体を用いたため主に多量体に対する抗体が産生されたことが考えられる。そこで変性して単量体にしたタンパク質を抗原として再度抗体を作製する。成功したらTM2D1およびTM2D2に対する抗体作製も試みる。 米国における状況は改善してきている模様であり、先日MMRRCとの調整を開始した。本年度中にTm2d1とTm2d2のKOマウス系統の入手と飼育・解析が開始できることが期待される。 アルツハイマー病の研究に関しては、C57BL/6系統への戻し交配が目標の10回をこえたので、Jackson研究所からモデルマウスを入手して交配を開始する。
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Causes of Carryover |
本研究は新型コロナウイルス感染症の拡大によって計画に遅れが生じており、それにともなって研究計画を変更して次年度も継続して研究を遂行することとした。
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Research Products
(5 results)