2020 Fiscal Year Research-status Report
高精細な病理診断と遺伝子解析を組み合わせた分類困難な脳腫瘍の層別化
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19K07411
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横尾 英明 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40282389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
信澤 純人 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80635318)
松村 望 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20729511)
伊古田 勇人 群馬大学, 医学部附属病院, 准教授 (90420116)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / 悪性グリオーマ / 人体病理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
SMARCB1/INI1の不活性化を示す脳腫瘍として異型奇形腫様ラブドイド腫瘍(AT/RT)は従来よりよく知られている。これは乳幼児の小脳に好発する高悪性度脳腫瘍であり、年齢と発生部位から髄芽腫との鑑別を要するが、予後に改善の見られている髄芽腫と比べると極めて予後不良と言わざるを得ず、INI1の不活性化を証明することは診断に直結する。これまでINI1の不活性化はラブドイド細胞の出現ならびに予後不良因子とほぼ同義のように理解されてきたが、我々はそうした既知の概念とは様相を異にする腫瘍をいくつか見出し、報告してきた。その1つがCNS low-grade diffusely infiltrative tumors with INI1 deficiency (CNS-LGDIT-INI1) である。本腫瘍は成人例が多く、低異型度びまん性グリオーマのように発生し、既存の脳組織に対して強い反応性変化を引き起こすことで特徴ある組織像を形成する。当初は緩徐増大性の経過を示すが、徐々に悪性度が上昇してやがて予後不良の転帰をとる。我々はこうした特異な脳腫瘍がINI1の免疫染色をおこなうことで診断可能であることを示した。こうした一群の脳腫瘍を層別化することは臨床的にもINI1の生物学的機能を解明する上でも意義が大きいものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調であり、新たな研究シーズに対して解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍におけるinternal tandem duplication (ITD)変異の意義づけ:ITDの検出は既知の遺伝子解析技術では困難を伴うが、我々はそれを容易にする技術開発面でも成果を挙げている。このような微小な遺伝子重複がなぜ腫瘍を引き起こすのか、その機構解明を進めていく。 EWSR1融合遺伝子に起因する脳腫瘍の層別化:EWSR1融合遺伝子の形成によって生じる脳腫瘍はこれまで稀とされてきたが、近年いくつかの融合パートナー遺伝子が判明し、その適切な層別化が期待されている。がんゲノム医療に用いられるFoundation Oneを用いるとEWSR1の融合パートナー遺伝子を割り出すことができるため、従来よりも検出件数が増えることが予想されるが、その前提としてEWSR1関連腫瘍であることを病理医が適切に診断することが必要である。年齢、性別、発生部位、予後とも絡めた層別化解析で新知見の探索を進める。
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Causes of Carryover |
少額の残金のため、次年度に有効活用することとした。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] CNS low-grade diffusely infiltrative tumors with INI1 deficiency, possessing a high propensity to progress to secondary INI1-deficient rhabdoid tumors.2020
Author(s)
Nobusawa S, Nakata S, Nakano Y, Kawamura A, Yoshida M, Tamura A, Hasegawa D, Kosaka Y, Ito I, Watanabe R, Oishi T, Hayashi N, Ishikawa E, Sakamoto N, Okura N, Murakami C, Ichimura K, Hirato J, Yokoo H.
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Journal Title
Am J Surg Pathol
Volume: 44
Pages: 1459-1468
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Secondary INI1-deficient rhabdoid tumors of the central nervous system: analysis of four cases and literature review.2020
Author(s)
Nobusawa S, Nakata S, Yoshida Y, Yamazaki T, Ueki K, Amano K, Yamamoto J, Miyahara M, Sugai T, Nakazato Y, Hirato J, Yokoo H.
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Journal Title
Virchows Arch
Volume: 476
Pages: 763-772
DOI
Peer Reviewed