2019 Fiscal Year Research-status Report
産科危機的出血をきたす癒着胎盤におけるプロテアーゼ活性化受容体の局在と機能
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19K07417
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
阿萬 紫 宮崎大学, 医学部, 助教 (50444790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勇一郎 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90347055)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 癒着胎盤 / プロテアーゼ活性化受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
癒着胎盤は子宮筋層における深達度によって3つの分類で表現される。絨毛が浅い子宮筋層に接しているものを真性癒着胎盤、絨毛が子宮筋層に深く侵入したものを嵌入胎盤、子宮筋層を貫通し漿膜面に達するものを穿通胎盤と分類する。絨毛は脱落膜を介さず子宮筋層に癒着、浸潤しているために胎盤の自然剥離が困難となり分娩時の危機的出血を引き起こす。多くの癒着胎盤症例において輸血や子宮摘出などの緊急の対応を迫られるが、その発生機序や病態には不明な点が多い。本研究では人体病理組織標本を用いて組織学的特徴を詳細に観察し、臨床病理学的因子との関連性や、特にプロテアーゼ活性化受容体(PARs)に注目した分子学的特徴を総合的に検討し、癒着胎盤の病態解明に迫ることとした。 以前癒着胎盤と診断された症例のうち、組織学的特徴や臨床病理学的因子および分子学的特徴の十分な検討が可能な約50例と、比較対象として正常胎盤も検討し研究を進めている。真性癒着胎盤では子宮筋層から剥離された胎盤のみが提出される場合が多く組織診断が困難な場合も多いが、本研究では、提出された胎盤に筋組織が付着しており、脱落膜を介さず絨毛が筋組織に直接接していることが確認できたもののみを真性癒着胎盤とした。 真性癒着胎盤においては、コントロール群や嵌入、穿通胎盤に比べ、人工授精による妊娠である症例が有意に多かった。真性癒着胎盤ではコントロール群に比べ出血量も有意に多かったが、嵌入、穿通胎盤ではさらに有意差を持って出血量が多かった。また、嵌入胎盤、穿通胎盤ではほとんどの症例で帝王切開や筋腫核出の既往が確認された。組織学的観察や臨床病理学的因子の調査を終了し、現在、免疫染色による分子学的特徴を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織学的検討や臨床病理学的因子の調査はおおむね終了し、免疫染色での解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
プロテアーゼ活性化受容体の免疫染色やその発現に関わる因子の免疫染色を進めていく。それらの結果と組織学的特徴や臨床病理学的因子の関連性について検証する。
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Research Products
(1 results)