2020 Fiscal Year Research-status Report
Pericytes play a critical role in the development of idiopathic pulmonary fibrosis
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19K07418
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐久間 裕司 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10364514)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / 線維芽細胞巣 / 周皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症 (idiopathic pulmonary fibrosis, IPF) は稀ではあるものの,確定診断後の生存中央値が約3-5年の難病である。本症では肺が慢性進行性に線維化し,呼吸機能が徐々に低下する。IPFに侵された肺では、陳旧性の病変である蜂窩肺の近傍に幼若な、活動性の線維化巣である fibroblastic foci (FF)がしばしば認められる。FFの新たな形成を抑制できれば、IPFは制御可能な疾患となると我々は仮定しており、その形成機序に注目し本研究を行っている。 我々は既に正常肺組織から周皮細胞を分離、培養する系を確立した。当研究室で得た肺・周皮細胞 (HuL-Pと命名)は代表的な周皮細胞マーカーであるPDGFRBとCSPG4の両者を発現しているものの、血管内皮細胞マーカーCD31は陰性であり、周皮細胞として矛盾しない表現型を示した。この細胞はTGF-beta signalingの有無に応じて周皮細胞様から筋線維芽細胞様まで動的に表現型を変化させること (pericyte-myofibroblast transition) も確認した。またIPFに侵された肺組織に認められるFFもHuL-P細胞と同様にPDGFRBとCSPG4の両者を発現していることも見い出した。これはFFが病的に活性化した周皮細胞に由来することを示す病理組織学的所見と考えている。 HuL-P細胞は正常細胞であるにもかかわらず、活発に増殖する間葉系細胞であり、実際には周皮細胞と筋線維芽細胞の中間的存在と考えているが、抗apoptosis機能を有するBCL2 family member, Bcl-xLとMCL1の両者の発現を抑制するとかなり効果的に細胞死することを見い出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に滞りなく、概ね予定通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
Bcl-xLとMCL1のdual inhibitionはHuL-P細胞をかなり効果的に細胞死させるものの、実際に生体で実施するとなると副作用の大きい方法と想定される。よって、より洗練された細胞死誘導法を見い出すことを目標とする。
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Causes of Carryover |
研究自体は順調に進展しているが、本学の基盤的経費等から想定以上に本研究に資金を充填できたためである。残額は次年度以降の探索をより深く、あるいはより広範に行うために使用する予定である。
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Research Products
(2 results)