2022 Fiscal Year Research-status Report
The role of fusion genes in multistep progression of cancer
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19K07430
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
細田 和貴 愛知県がんセンター(研究所), がん情報・対策研究分野, 研究員 (00728412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田部 恭 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (90280809)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / KRAS / RNAシーケンス / 融合遺伝子 / DNAシーケンス |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度には、令和3年度に同定した分子異常のvalidation studyを実施した。集積した29例のvalidation caseに対し、次世代シーケンサーを用いたターゲットRNAシーケンス、ターゲットDNAシーケンスを行った。現在そのゲノムデーターの解析を行っているところである。またdiscovery cohortで検出された代表的な分子に対して免疫染色、FISHを行いvalidation cohortでの追加解析実験を行った。 現時点での特筆すべき結果として、過去にKRAS遺伝子異常のない膵癌ではNRG1融合遺伝子が一定数みられる、という報告があるが(Heining, Cancer Discovery 2018、Jones, Clin Cancer Res 2019), 本研究ではこの融合遺伝子が一例も検出されなかったということである。欧米で報告されたこの遺伝子異常は膵癌における新規治療の可能性を期待させる報告であったことから、本邦においては稀な事象であることを学会に投げかけることになるだろう。 次世代シーケンサーでDNAシーケンスを行うにあたり、核酸の品質の検定を行う必要があるが、その検定方法を改良する必要が生じた。この研究の枠内で、精度の高い新しい技術を検討した。一般的にNGSのライブラリを作成する前に、PCRを使用して核酸の品質を検定する方法が用いられているが、PCRを使用せず電気泳動法で行う方法で、核酸品質の良悪をいいあてる、精度の高い方法を開発した。この結果は令和4年度内にまとめAmerican Journal of Clinical Pathology誌に投稿し、アクセプトされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の主たる部分は概ね完了し、現在データーのまとめ、追加実験の必要性について検討している。本年度中に論文発表を計画できる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、研究データーのまとめと必要に応じて追加実験を行う。この秋からは論文作成から投稿まで行いたい。 また本研究では、膵癌の診断とコホートの純度を高めるため免疫染色を行っているが、免疫染色実験の過程で新規の免疫染色用抗体を見出し、その診断的有用性について調べている。この取り組みも、成功すれば新規の知見となりうるため、本年度取り組んている事項である。
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Causes of Carryover |
本年度の研究において余剰が生じたが、試薬使用の省力化などの努力によるものである。また次年度においては研究のデーター解析(統計解析を含む)、追加実験、論文作成を計画しており、その際の試薬費用と英文校正料に充当する。
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[Journal Article] Diagnostic utility of DNA integrity number (DIN) as an indicator for sufficient DNA quality in next-generation sequencing-based genomic profiling tests2023
Author(s)
Kaho Hiramatsu, BSMT1), Chiaki Matsuda, BSMT1), Katsuhiro Masago, MD, PhD1), Kazuhiro Toriyama, MD1), Eiichi Sasaki, MD, PhD 1), Yasuko Fujita, MD, PhD 1), Masataka Haneda, MD, PhD 1), Hiromichi Ebi, MD, PhD 2), Noriko Shibata, BSMT1), and Waki Hosoda, MD, PhD 1)
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Journal Title
American Journal of Clinical Pathology
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed