2021 Fiscal Year Annual Research Report
悪性中皮腫に発現するHEG1の制御に関わるマイクロRNAの探索と分子機序の解明
Project/Area Number |
19K07439
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
伊丹 弘恵 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20769020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 登紀子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (00619538) [Withdrawn]
武田 麻衣子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40398441)
藤井 智美 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50623477)
畠山 金太 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (60325735)
大林 千穂 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90223940)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 悪性中皮腫 / HEG1 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性中皮腫における分子診断や分子標的療法への応用としてmiRNAを含めた種々の分子が検討されてきているが、実用化されている分子は未だに存在しておらず、鍵分子となり得る遺伝子の特定と機能解析が急務である。2017年に悪性中皮腫の有用な免疫染色抗体としてSialylated Heart development protein with EGF like domains 1(SHEG1)が発見された。 本研究では、MM細胞株(H226、MESO4、H2052)を使用してHEG1とmiRNAの機能分析を行った。MTSアッセイでは、microRNA-23b(miR-23b)阻害剤またはHEG1 siRNAを一過性にトランスフェクトすると細胞増殖が大幅に減少することが明らかになった。アネキシンVアッセイは、miR-23bまたはHEG1の抑制時にアポトーシスが誘導されることを明らかにした。ウエスタンブロッティングは、オートファジー関連タンパク質LC3-IIがmiR-23bまたはHEG1の抑制時に誘導されることを示した。 HEG1の発現抑制により、悪性中皮腫細胞株のMESO4, MESO1, MESO4いずれにおいても細胞増殖が抑制された。悪性中皮腫細胞株ではHEG1の発現抑制によりアポトーシスならびにオートファジーいずれも誘導されたことから、HEG1は抗アポトーシスおよびオートファジー抑制により、中皮腫の細胞増殖能を維持していることが示唆された。また、MiR-23bは、悪性中皮腫細胞のアポトーシスとオートファジーによって誘発される細胞毒性を回避することにより、HEG1依存性の細胞増殖に寄与することが分かった。よってHEG1依存/媒介miR-23bシグナル伝達は、悪性中皮腫の診断・治療において有力なマーカーとなりうる。
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Research Products
(3 results)