2020 Fiscal Year Research-status Report
The stress hormone and carcinogenic potential
Project/Area Number |
19K07453
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三木 康宏 東北大学, 災害科学国際研究所, 講師 (50451521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮内膜癌 / T細胞 / コルチゾール / エストロゲン / 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜癌における腫瘍内ホルモン濃度(エストロゲン:エストロン、エストラジオール、アンドロゲン:テストステロン、ジハイドロテストステロン、グルココルチコイド:コルチゾール)とTリンパ球マーカーの発現との関係を検討した。子宮内膜癌組織の凍結およびホルマリン固定・パラフィン包埋(FFPE)組織を用いた。凍結組織からLC-MC/MSにてホルモン濃度を測定し、FFPE組織を用いてTリンパ球マーカーの免疫組織化学を行った。本研究では5つのTリンパ球マーカー :CD3(成熟)、CD4(ヘルパー)、CD8(細胞傷害)、FOXP3(調節)およびTOX(疲弊)について検討した。任意の3視野の腫瘍内CD3陽性細胞の数をカウントし、CD3に対する比率を各マーカーのscoreとした。マーカー間の相関では、TOXとCD8 scoreに正相関が認められた。Type 2(G3および漿液性)と比較してType 1(G1およびG2)において、CD3およびCD8スコアが有意に高かった。さらに本研究ではコルチゾール濃度とTOXに正相関が認められた。子宮内膜癌において、腫瘍局所におけるエストロゲンおよびアンドロゲンはCD4陽性Tリンパ球の浸潤に影響すると考えられた。また、腫瘍局所のコルチゾールは浸潤性Tリンパ球に対して作用し、その老化に関与することが示唆された。さらに本研究から、子宮内膜癌における免疫療法とホルモン療法の併用療法の可能性が示唆されるが、コルチゾールのTリンパ球への老化作用がその効果に影響を及ぼすものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響による、研究資材の調達が遅れたため、in vitro実験に影響があった。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮内膜癌組織におけるホルモン濃度を測定し(実施済み)、癌細胞およびリンパ球のSASP関連因子、11β-HSD2、Glucocorticoid receptor (GR、実施済み)の発現を免疫組織化学にて確認し、両結果の関連を解析する。さらに遺伝子レベルで の変化(11β-HSD2のメチル化を含む)を次世代シークエンサーにて解析し、コルチゾールの遺伝子レベルでの影響に関する評価を行う。培養細胞を用いたコルチゾール長期暴露細胞におけるSASP関連因子、11β-HSD2、GRの発現を検討する。
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Causes of Carryover |
COVID-19によって成果発表のための学会発表が、オンライン開催に変更となったため出張旅費がかからなくなったため。
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