2020 Fiscal Year Research-status Report
Clinicopathological and molecular analyses of precursor lesions of urothelial carcinoma
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19K07466
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
村田 晋一 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20229991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 生笛 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60647428)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 尿路上皮癌 / 尿路上皮異形成 / 核極性 / 異型尿路上皮 / MTOC / 前駆病変 / 人工知能 / 網羅的遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)尿路上皮癌の早期病変を解析するため、正常尿路上皮と3つの尿路上皮内病変(意義不明の異型尿路上皮、尿上皮異形成および上皮内癌)を約300症例収集し、臨床病理学的特徴、免疫染色による組織構造因子の染色、NGS (Next-Generation sequencing)による網羅的遺伝子解析、人工知能を用いた組織形態を解析中である。 2)免疫染色による組織構造因子の解析では、γ-tubulinの数的および局在的異常が尿路上皮癌の高異型度化に関与していることを明らかにした(英文誌掲載済み)。さらにこれを進めて、MTOC関連の蛋白として、MAP7に注目し、その発現について解析を行った。その結果、MAP7の発現減弱化や局在が核極性の乱れや癌浸潤と関連していることを示唆された(英文誌に投稿するため英文校正中)。 4)NGSによる網羅的遺伝子解析では、早期の尿路上皮癌において検出されることが多い遺伝子群(TERT promoter、FGFR3遺伝子、p16INK4a遺伝子、p53等)の点変異や欠失等の遺伝子異常の解析が終了した。その結果、TERT promoterの遺伝子異常は非腫瘍性病変に認められ、p53を含む複数の遺伝子異常は高異型度症例で起こっていることが明らかになった。現在、正常尿路上皮と3つの尿路上皮内病変別ごとの遺伝子異常の傾向の解析を進めている。 5)新たなin situでの解析法としてMultiple immuno-ISH stain with WSIを開発を行い、1つの腫瘍細胞から複数の蛋白発現や遺伝子異常を検出することができた(英文誌に投稿準備中)。 6)人工知能を利用した画像解析を行うために、新たな手法「Pathological-criteria based deep learning」を開発しつつ、正常尿路上皮と3つの尿路上皮内病変の形態像を客観的に解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の研究計画通りの進捗である。また、新たな研究手法の導入も行っている。一方、 点突然変異をin situで視覚化する手法の開発については、良好な結果が得らず、残念することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
1)MTOC関連の蛋白であるMAP7の発現解析の論文については、2021年5月には英文誌に投稿する。 2)正常尿路上皮と3つの尿路上皮内病変(意義不明の異型尿路上皮、尿上皮異形成および上皮内癌)における網羅的遺伝子解析は終了し、傾向を統計処理中である。 3)人工知能を利用した画像解析を行うために、新たな手法「Pathological-criteria based deep learning」を開発しつつ、正常尿路上皮と3つの尿路上皮内病変の形態像を客観的に解析中である。
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